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ストロボ。

フラッシュライト、スピードライト、ストロボ、どの単語もだいたい同じものを指しているが、これといった一意の言い方が存在しない、ストロボ。
今回の記事の主役は、クリップオンストロボ。
英語ではElectronic Flashというらしい。
なお英語でflashlightというと懐中電灯を指すらしい。

LUMIXと出会う前、Olympus機を使っていた当初からこのLUMIX DMW-FL360Lを使用している。
以前使っていたNikon機にはNikonのSB-600を使っていた。
でも、あまりメーカー縛りする必要は無いな、と思う今日この頃。

最近やっとクリップオンストロボ、以降文字数削減のために単純に「ストロボ」と表現する、の面白さが分かってきたので、このタイミングにおいて、これまで私がストロボをどのように扱い、捉えてきたのか、を備忘録として残しておく。


きっかけ

某民放局に、世界各地を旅する(マイルドな言い方をすると)一般人とは一線を画する感性を持った(ないし目的や使命感を持った)方々に密着する番組がある。
レギュラー陣がみんな白い服装だったり、まれに良くない話題も提供してしまう番組だが、わりと初期のころから写真作品を作る方々の回を楽しみにしていた。

今年になり、ある少数民族を捉えた作品に、ほろ酔い気分が一瞬で覚めるような、時が一瞬止まるような感覚を覚えた。
少数民族(その回は「戦士」とのことだった)の作品から溢れ出すエネルギー。敢えて因数分解するなら、活き活きとした表情や美しい肉体美、そして背景とのドラマチックかつ必然的な調和に圧倒された。

個人的に昨年末、自分の中でRAW現像やそのツールに対して一定の見解を導くことができたタイミングだったことが大きいと思うが、恐らくRAW現像だけでは到底成し得ないその迫力の構成要素として「ライティング」が占める重要な役割を認識した。

今回この記事を書こうと思ったきっかけは、このテレビ番組だった。

三種の神器

前節で書いたようにライティングの重要性に目が覚めた私だが、ライティングに興味が無かったわけではない。カメラを始めてから様々なものを買ってきた中で、自分の写真の質を向上させた、と実感しているものが3つある。

  1. 三脚

  2. 最初の単焦点レンズ

  3. クリップオンストロボ

私が最初に買った単焦点レンズは、換算約50mmになるAF-S DX NIKKOR 35mm F1.8Gだった。懐かしい。それはさておき、上記の3つは、個人的に「駆け出しカメラマン三種の神器」と呼んでいる。今思えばカメラ購入と同時に手にしても早くないくらいだ。その中にあって、購入に踏み切るまでは、ストロボはかなり腕のある人たちが使うものだと思っていた。

ストロボの効用

私はストロボをきっかけに「光の大切さ」に気付くことができた。
そこまでは良かったが、それからこれまで「光の使い方」についてはずっとおざなりにしてきた。GNとか多灯ライティングとかそういうのが目に入ってきて、難しそうなので見て見ぬふりをしてきた。
しかし、光ということで、短絡的だが、フェルメールやレンブラントの作品を見ると、光をどのように捉え、どのように扱うか、という意識は作品の隅々まで行き渡る重要な要素だと感じる。

ストロボとのこれまでのお付き合い

家族とのお出かけで家族を被写体にしたスナップは撮るが、ポートレートは稀に依頼されて撮る程度(勿論、業務ではなく完全にプライベートで)、そういう私がストロボを使用してきたパターンは、だいたいこの2つだった。

物撮り

クリップオンで天井バウンスしただけで、被写体の写り方(立体感や発色)が大幅に変わる。

ストロボを炊かないときの画像は想像にお任せします。

雪景色

雪が降る中でストロボを炊くことで雪が止まる。

あまりいい例ではない。
そしてRAWで撮ってると勘違いして、JPEGモード。
しかも画質も上から2番目という設定だったのはショックが大きい。

ストロボのアクセサリー

ストロボ一灯だけ、という状況でも色々な使い方があるらしい。
例えば、リモートストロボ。
自由度の高い光の演出を実現できる(らしい。やったことないぞ)。
例えば、ソフトボックス。
光の強弱や拡散具合を調整する(らしい。やってみたいぞ)。

というわけで、金額的に手を出しやすいという理由が100%だが、ディフューザーを購入した。

光源が大きくなると光が柔らかくなるらしい。
買った後で知った。

このディフューザーにより、ストロボの光を少し拡散させ(た結果光量は落ちるが)、柔らかい光の演出を実現できる(と良いな)。

単純に同じ設定のままでディフューザーを使用。
何も考えずに適当に撮ったためアンダーになってしまった。
しかし、おもちゃのこめかみあたりの反射が弱くなった。

今回は、まずはベーシックに柔らかい光の演出をしてみようと思ったので(金額的に手を出しやすいという理由が100%だが)ディフューザーを購入したが、かなり分かりやすく効果が出た。
お安い品物なのに、これだけ差異が出るのは楽しいし、光が変わるだけ写真の出来栄え、質が変わる。

光は、レンズやボディの刷新よりも写真の仕上がりに対する影響が大きい。
そして、RAW現像ではこのような物理現象の補正はできない。

光の演出つながりで、こんなものも買った

人生において、道具は使う意図が無いと活きないことを学習してきた。
そういうわけで、ストロボ多灯焚きにあこがれつつ、それでもクリップオンで一本勝負するとどうしても意図通り写せない、そんな状況もある。それに、人の作品を見て学ぶだけでなく、色々と試行錯誤して多灯焚きの効果を実感してみたい。
そこで、とりあえずお小遣い程度で買える、こんなものを買った。

NEWEERのスティックライト

光量を0%から100%まで、色温度も設定可能(2,500Kから8,500Kまで)設定でき、色々な時間帯で使えそうなこのスティックライト(他にもRGB発光モードなど機能はたくさんあるが、私は恐らく使わない)。
マグネット式なので金属フェンスなど様々なものに仮設できそうなので、いわゆるおもちゃとしてだけでなく、ストロボの補助灯として使えないか、も検証していきたいと思う。

ストロボの天井バウンスにスティックライト有無で写りはどう変わるか?

スペックを見るに日中の野外では光量が足りない可能性が高いしストロボとの色の整合性をどうするのか、という問題はあるが、曇天や夜間、そして室内であればそれなりの活躍をしてくれると期待している。
かなり小ぶりなので、災害発生時等に懐中電灯代わりになってくれるかもしれない。

煩悩

この記事を書く上で、少しだけライティングについて調べた。
そうすると、オフカメラでストロボを焚いてみたい、とか、屋外でもきれいにバウンスさせたい、等、やはり色々と欲が出てきてしまった。
手許にあるLUMIX FL360Lにはワイヤレス発光をするモードがあるが、マスターの発光と同期するタイプなので、ストロボがもう一灯必要になる。でも、世の中には電波信号を飛ばすトランスミッタがあるではないか。発信側に技適マークが必須なので購入元は考えるべきだが、評価が高いながら手を出しやすい価格帯のものもある。
多灯も視野に入れつつ、より自由なライティングを実現するオフカメラでのストロボは試したいところ。いや、それでも、まずはクリップオンでのストロボ活用法を色々と習得すべきかもしれない。

趣味の面での、今年の目標は「ライティング」にしよう。

ノートの余白

まとめではない。だが、書き留めておきたいこと。
写ルンですとかコンパクトデジタルカメラでは、「内蔵フラッシュ」がついているものもあるが、「いかにもストロボ焚きました。」という仕上がりになってしまい苦手で使いたくなかった。しかし、世の中には、そういったカメラでも上手にストロボを取り入れて表現されている方がおられる。
自分もそういう写真を撮りたい。
ストロボって奥深い。

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