私は、いつまでも、独りになれない
私は、いつまでも、独りになれない。
せっかく独りになったのに、薬局の一角にあるフレグランスコーナーに行くと必ず嗅いでしまう香水がある。あの人が使っていた香水を見かけては、ついつい嗅いでしまう。あの人を思い出す。小学校を卒業して中学が同じだった。中学3年間、同じクラスだった。私もあの人も目が悪かったから席替えは一番前。隣同士になる確率が高かった。あの人は身体が弱かったから、学校を休みがちでちょっと寂しかった。寂しかったと思うようになって、私はあの人が好きなんだと思うようになっ