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おじさんポトレ。

ポートレートを長らく撮ってきて色んな作風に触れてきましたが、その中の一つにいわゆる「おじさんポトレ」と呼ばれるものがあります。

一概には言えませんが、傾向として
・中望遠以上のレンズを全開にして背景をぼかす
・日の丸構図や三分割構図と言った教科書通りの構図
・背景をあまり入れず、且つ、ザ・ポートレートという作風
・撮って出し or ほぼノーレタッチに近い
・割と順光で、明るくハイキー(白飛び気味)
などと言った特徴があるものが多いようです。

写真に正解はありません。
なので上記のような特徴のある作品もまた、作風の選択肢の一つとして、あって良いのです。しかしながら、近年の傾向では「おじさんポトレ」「おじさん写真」と分類されがちのようです。それは、あまり良いニュアンスではなく、どちらかと言えば、「古い」「ダサい」と言うニュアンスが込められているように見受けられます。

かく言う僕も、ひと昔前までは、公園などで85mmの単焦点レンズを使用し、F値は常に全開、できるだけ被写体さんとの距離を縮めることで背景を大きくぼかし、全身もしくは上半身を撮っていました。
僕の作品もきっと「おじさんポトレ」であったことでしょう。

上記にも書いたように、写真に正解はありません。
逆に、写真に間違いもないと思っています。
「おじさんポトレ」であろうが何であろうが、もしそれが趣味の撮影であるのであれば、好きに撮ればいいのです。とやかく言われる筋合いもないのです。今もそこは変わらずそう思います。

一方で、僕のポリシーに「現状維持は後退だ」というのがあって、やったことがないことをやってみる等の変化がないと、現状維持にとどまり、結局そこで頭打ちになっちゃう気がしてます。そんな僕のポリシーのもと、新しいことをやっていきたいという思いがあって、今は一旦、「おじさんポトレ」は撮らなくなりました。いえ、厳密には、撮ることはありますが、進んでそれを選ぶ事はなくなりました。

今は、広角寄りのレンズを使うことも多いです。
・35mm単焦点(絞りも開き過ぎない)
・背景を大きく入れ、被写体さんを背景の一部のように撮る
・もしくは、かなり寄って被写体さんの体の一部をフレームアウトさせる
・さらに寄って、部分撮りなどを含める(手足だけ、肩から首だけ等)
・ポージング指示も、教科書通りを避ける

昔は中望遠を得意とし、きっと一番良く使うレンズになるだろうと、85mmF1.4のGマスターレンズを購入しましたが、最近では35mmか、もしくは、たまに50mm、と言ったところを多く使うようになりました。
(お仕事でのロケ撮は85mmを今でも良く使います)

時代の流れや、自分の経験値とともに、作風もだんだんと変わってきました。
「現状維持は後退」のポリシーで行くと、こうした変化もまた、成長に不可欠なのかも知れません。
また流行はループする傾向にあると思います。ファッションもそうであるように、写真もフィルムからデジタルへ。そして最近はまたフィルムが見直され、デジタル写真にあえてフィルム調のレタッチを施すことも、流行の一つと見られています。この「おじさんポトレ」もきっとまた、流行る時代が戻ってくることでしょう!

これからも、たくさんアンテナを立てて、良い意味でミーハーでいたいものです。

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