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With コロナ?たぶんBesideかBehindくらいな意識にしかならないと思う。

スウェーデンから帰国して
もう2ヶ月も経った。

本当なら
スウェーデンにいたはずのこの時期。
本当なら
研究バンバンやっていたはずのこの時期。
本当なら
皆と別れを惜しんでいたはずのこの時期。

「本当なら…」
という言葉を挙げたらキリがない。

でも、予定よりも早く帰ってきて、
全てがマイナスだったかと
聞かれるとそうでもない。

4月から5月の中旬までは
家に引きこもってたおかげもあって、
修士の論文をまとめて投稿もできたし
博士の研究室にもうまく馴染めているし
仕事でも色々巡り合わせがあったりもした。

GW中にはベランダで
ハンモックに揺られながら
いい感じに日焼けもできた(笑)

今の自分の現状を表すとしたら、

「まあ悪くない」

変な話、
テレビとかメディアでは
これからは『With コロナ』になるだろうと
言われているけど、
日本では感染者の数もヨーロッパに比べれば
比較的落ち着いている。

スウェーデンのコロナ対策は、
世界的に見ても稀な対策なようで。

スウェーデンにあのまま
残っていたらと考えると、
それはそれで身に危険を
感じていたかもしれない。

たしかにこの状況であれば、
With コロナのような意識になれる。

ただ、日本みたいに
100万人あたりの感染者数で言ったら一桁
だったりすると、
危機感を感じるという意味での
意識がなかなか芽生えにくいと思う。

その中にいると、
当事者との関係性がなければ、
そのことを身近に感じるのは
難しいという感覚を
ありありと感じた。

知ってはいるけど、
自分とは関係のない話な
気がしてならない。
そんな感覚。

ヒトは、
イマジネーションすることができるはず。
それでも、その能力の限界すら感じてしまう。

そんなことを考えているうちに
他のことにも
同じことが言えるのだと思った。

***

初対面で医療関係ではない人に
「なんの仕事してるの?」と尋ねられれば、
「障害のある子ども達の生活を支える仕事」
と答えていた。
けど、
相手からすれば身近に障がいのある人
もしくは障がいのある子どもがいないと、
自分が関わっている子どもたちを
上手く説明できた気がしない。

上手く説明したいのに、
できないことに歯がゆさすら感じる。
社会的には「障がい児」・「障がい者」
という言葉に対して、
みんなそれぞれ「障がい」に関連した
イメージを膨らませて
頭の中で何かを想像している。

僕の現場で見る実際の姿とは
別の姿が思い描かれている気がする。

何が言いたいかって
タイトルにも書いてあるんだけど、
身近ではないことを想像すると、
ヒトの中で作り上げられるイメージや姿は
想像の範疇を超えることがなかなか難しい。

だから、これからの時代はWith コロナ
なんて言われいるけども、
横にいる(beside)ような
後ろに隠れている(behind)ような
そんな意識で生活していくことになる気がする。

これが良いか悪いかっていうことよりも、
この考え方にすると、
対人関係の捉え方が
変わるんじゃないかと思ってる。

英語の文献を読んでいると、
障がいのある子どもを表す言葉は、

Children with disability

と表される。

個人的には、このwithだと
「障がい」が子どもに付属しているもの
みたいなイメージがあって、
その子どもを見るときにどうしても
その障がいが一緒に見えてきてしまう。

医療者としてはその障がいに
目を向けなければならないんだけど。

臨床で働いているときに
自分の中で大事にしているのは、
その子をまず
その子のまま受け止める。
「障がい」は
横において、
後ろにおいて、
目の前にいるその子ども自体を
受け止める。

コロナウイルスっていう
目に見えないものを考えると、
Withという言葉とともにある限り、
人と会うことすら
常に警戒をして、
気を張って、
関わらないといけない。

でも、BesideとかBehindの意識でいると
どうだろう。
コロナウイルスが常に
人に付属しているような
Withでいるよりかは、
人との距離が少し埋まるような気がする。

そのくらいの人と人の
意識的な距離感だと、
窮屈な生活にはならないでいられる気がする。

そういう意味でも、
今の日本の現状は

「まあ悪くない」

***

だいぶ楽観的な終わりになってしまった。

でも、スピノザの唱える「自由」を
大事にしている自分にとっては、
与えられた自分の必然性の中で
強制されることなく、
生きることができれば
それでいいんだと思っている。

でもやっぱり、
ウメオで白夜を経験してみたかったなぁ…

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