ピッチ
この前サッカーJリーグの試合観戦に出かけた。
自分が見た試合は夜にキックオフだった。スタジアムの中に入ってスタンドに上がると、明かりに照らされたピッチが目に飛び込んでくる。鮮やかな緑色の芝生がキラキラと光っている。
その芝生の上を黒い物体がちょこちょこと動き回っている。両チームの選手が試合前練習をしているところだった。ほとんどの選手が黒いトレーニングウェアを着ていた。
一定の間隔を空けて整然と座っているサポーターが練習をじっと見つめている。やがてその一画から拍手が沸き起こった。その方向を見ると、練習を終えた選手がいったんピッチから引き上げていた。
キックオフの時間になるとスタンド中から拍手が沸き起こる。スタジアムの照明も色を変えて雰囲気を盛り上げる。空気も引き締まってきた。
再びピッチ上に選手が入場してきて、キックオフを迎えた。
選手の動き、ボールの動き、プレー1つ1つを見守るかのようにじっとピッチを見つめる観客。良いプレーには自然と拍手が沸き起こる。
先制点が入った。思わず漏れ出てしまったであろう少しの歓声と、この日1番の大きな拍手がピッチ上に送られる。
前半終了。スタンドも少しだけゆったりした空気が流れる。
スタンドからの拍手に迎えられて選手がビッチに戻ってきた。後半開始。
後半になると選手交代も頻繁に行われる。その度に温かい拍手がピッチ上に送られた。
試合終了。スタンド全体から拍手が沸き起こる。それに答えるように選手がスタンドに向かって挨拶をした。
選手がピッチから引き上げていくと、鮮やかな芝生の緑色が再び目に飛び込んできた。
すぐにスタジアム関係者と思しき人たちが出てきて、芝生の手入れを始めていた。