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ビジュアルノベル おわかね制作日誌 第9回「舞台モデルの決め方」

こんにちは。
本日はゲームと関係あるようでちょっと違った角度の話をします。
聖地というのはよく言われますが、ゲーム制作で舞台設定はかなり重要です。
もちろん背景イラストの指示が出しやすくて指示書書くのが楽イメージが作りやすいというのもありますが、使われないかもしれないがバックグラウンドとして持っておく設定や土地特有の歴史などは、あるだけで作りやすさが増します。
またユーザーもプレイする際にイメージがつきやすいです。
ただ架空のファンタジー要素を混ぜにくいというデメリットもあるので、fateなど色々な土地をミックスする方法もオススメです。

「おわかね」の舞台設定

「終わりの鐘が鳴る前に」の舞台である青穂市 鈴ノ音町は兵庫県赤穂市をモデルにしております。こちらは塩・牡蠣の名産であり、温泉や海水浴場があったりと隠れた観光の名所としても特徴的です。
その青穂市の説明は以下のようになっています。

江戸時代の有名な武士たちの縁のある土地であり、温泉や牡蠣などの海産物が有名な観光地である。
都会からも特急や快速急行で1時間もかからないのでベッドタウンとしても有名である。
海に面する街並みは古くからの建物も多く存在しているが、古民家を改造したカフェや若者向けの施設も多い。
駅前は古い商店街が広がり居酒屋や飲食店が続き、商店街を抜けると城跡を改装した公園が広がる。
商店街の東西に住宅街が広がるが、西が旧家など古い街並みが広がり、東には新しく分譲された住宅が立ち並ぶ。
城の南には海の近くに工業地が続く、そこから東に市場などの港湾地帯がある。
海岸からそのまま東に抜けると温泉街があり、地元の有名な神社やカフェやバーなどの店が立ち並ぶ。
住民たちは主に車で移動しているが、学生や電車通勤の社会人はバスや自転車を利用して家と学校や駅を行き来している。

「終わりの鐘が鳴る前に」公式サイトより

ほとんどが赤穂市の説明になってしまいます。
また雨がとても降りにくい地域など設定でも活かせそうな点もあり、ゲームで「晴れてばっかりじゃない?」と思われてもいいようにしております。
(ゲーム内で明言していない)

地形も赤穂市に似せてあります。

なぜここ?舞台モデルを決めた背景

兵庫県赤穂市にはゲーム作成まで何も決めていませんでした。
小説作成時もそこまで考えておらず、なんとなく日本海?みたいな印象はありました。
ただ、実際に色々設定を詰めていった結果、候補の中に含まれました。
温泉地がいい・少し不便な田舎である・特徴的な鳥居があるというのが個人的には大切にしたポイントです。
石川県の和倉付近も候補にあがりました。一度も行ったことがあり、個人的に大好きな場所だったのでイメージを固めていたのですが、特徴的な鳥居というのになかなか出会えませんでした。
そんな時、赤穂市の鳥居の写真を見つけて取材に向かい、イメージにピッタリだったため決定しました。
関西在住のカンザキにとって、同じ関西だ!って思いましたが普通に大阪市内から遠いです。

舞台モデルとなった「赤穂市」の紹介

ここからは実際にモデルになった場所を紹介していこうと思います。
まずは駅…ご存知の方も多いかもしれませんが、赤穂は赤穂浪士が一番有名でもあるため、赤穂浪士の縁があるものが多いです。

ゲームもなるべく忠実に再現しています。

駅前には商業施設があり、映画館も入っております。
駅前はChapter.3では比較的出てくる場所です。
そこから城跡に向かう通りには飲食店やお土産やが並んでいたり、ゲームの中は少し店の設定が多めですが悠木が行っている書店や沢城が行っていた居酒屋は実在します
ちなみに長谷部涼平たちも駅近くに住んでいる設定になっています。

城跡の公園はゲーム内で何度か登場させようとして結局出なかった場所です。初期段階ではフリー行動中の移動先の一つで企画しておりました。
歴史館もあって、静かな場所です。


ちなみに少し城跡から外れた場所に牡蠣を美味しく食べれる場所があるのですが、そこは豊崎の実家のモデルにしております
そこでは安く日本酒が飲めたりと、是非とも行かれたら立ち寄って欲しい店です。ただ閉まるのが早いので昼は混雑していて土日だと開店と同時に行くくらいがオススメです。

そこから海沿いに歩きます。
ちなみに15分くらい歩くと高校があり、そこが長谷部涼平たちが通う高校のモデルになっています。
田舎だし30分くらい歩くのは普通だろう…カンザキの地元も自転車20分くらいで通っている中学校あったしな。
通学するにしてはけっこう遠い…と思い、ゲームからバスでの移動をしている描写も足されています。
菅野雪乃は高校近くに住んでいることになっています。
学校から、さらに海沿いに歩いていくと温泉街に着きます。

ちなみに駅から歩くと30分以上かかります。
フリー移動で「一箇所しか行けないのかよ」と思った皆様、普通に遠いので一箇所なのです。ゲームの仕様で面倒とかではないです。
そこには有名な銀波荘という旅館があり露天風呂からの絶景を楽しむことができます。コロナのせいで予約制になってしまったので、ふらっと寄ることができなくなったのが残念です。
周囲にも日帰り温泉が魅力的な旅館が多いです。

そこの旅館街の真ん中に伊和都比売神社があります。
ゲーム中に登場する伊ノ里日愛神社のモデルになっており、今回舞台モデルの決め手になった場所でもあります。
鳥居が特徴的で神社から見ると、海への入り口に見えるようになっています。

神社から旅館に戻る道にオシャレな店が立ち並ぶ坂があります。
ここらへんで有名なイタリアンの店があったり、マーチ・ヘアのモデルになったカフェがあったりと個人的には大好きな場所です。
休日になると人も多く混み合っています。

最後に神社から海沿いに歩いていくと、人が少ない浜辺に出ます。
ここが舞台の設定で大切な「海」になります。

実は近くに宿があったりするのでゲームのように暗くもないのですが、高校近くの海や浜辺はゲーム制作時に工事で入れないため、こちらを参考にしております。
ちなみに小説ではChapter.1のラストは文化祭の後なので、高校の近くの海という設定でありました。
今回は設定変更とともに物語も大きく編成し直しております。

ゲームを作る上で取材を重ねることはけっこう大切でした。
夜の雰囲気はどうなのか、人がどれくらいいるのかなどなど。
ちなみにゲームの中で登場するビオンに該当するイ⚫︎ンもありますが、中身は他の関西のイオ⚫︎モールを参考にしております(奈良・大阪)
サイズとして小くて使いにくいデートをして1日過ごせる規模感に合わせたというのが実情です。
丸々同じ世界観でいければよかったのですが、ここだけは少し設定を変更しております。

最後に赤穂市について

赤穂市を推したいわけではないのですが、ただ数回取材で行っていると不思議と愛着が湧くもので、今では行きたい店や場所も増えました。
最終章のゲームができたら取材ではなく観光として一度行こうと思います。
あと、ラジオで食べていた饅頭は赤穂市のお土産物屋でけっこう売っていおり、東京のポップアップストアでも取り扱っていました。

是非とも皆様も赤穂市に行ってみてください!


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