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【ジブリ飯】海外で『コクリコ坂から』の"コクリコ荘の朝食"を作る。

今週の金曜日に日本では金曜ロードショーで『コクリコ坂から』が放映されるとのこと。残念ながらこちらの国では視聴することはできないのだが、ジブリ好きとしては放送があると聞くだけで、何か気持ちが盛り上がるものがある。

以前、日本にいた頃から"ジブリ飯"はそれなりに作っていたのだが、最近とんと作っていなかったので、せっかくならと思い立つ。

"ジブリ飯"という観点ではあまり名前の上がらない『コクリコ坂から』であるが、実はこの作品にも作品を彩る美味しそうな食べもの、気持ちが豊かになるような食事のシーンが描かれている。

"ジブリ飯"としてさほど人気がないのは、『コクリコ坂から』に登場する食べ物が他作品に比べてやや質素で良くも悪くも見た目が少しばかり地味だからかもしれない(他のジブリ飯とて特段華美で豪奢なわけではないのだが…、うん、不思議)。

『コクリコ坂から』では主人公の松崎海が下宿屋「コクリコ荘」を切り盛りしているため、家庭的で温かみのある食事風景が描かれる。大勢で囲む食卓というのも良い。

では、そんな『コクリコ坂から』から今回作るジブリ飯を見ていこう。

『コクリコ坂から』のジブリ飯とは…

『コクリコ坂から』では主人公メル(海)が料理をするシーンが何度か描かれる。慣れた手つきでテキパキと段取り良く料理を仕上げていく様子は見ていて心地よさを感じる。

今回作る"ジブリ飯"はそんなメルの作るコクリコ荘の朝食。

白ごはんとお味噌汁にシンプルなハムエッグが添えられた朝食らしい朝食。

他にもどうやら納豆をかき混ぜているようなシーンも挟まれているが、流石に海外で納豆を手に入れることは叶わないので割愛。ハムエッグの付け合わせはキャベツかレタスかの千切りに見えるのだが、比較的色が濃く描かれているのでレタスだろうか。個人的にはハムにはレタスという印象もある。味噌汁には白と緑の具材がのぞいているので、おそらく豆腐と青菜、あるいは葱というところだろう。

では、実際に"コクリコ荘のハムエッグ朝食"を作っていくとしよう。

コクリコ荘のハムエッグ朝食の材料

  • ハム

  • レタス

  • 出汁

  • 豆腐

  • 青菜

コクリコ荘のハムエッグ朝食を作る

炊飯と出汁取り_

まずは米を炊く準備から。

こちらでは炊飯器が売られていないので、米は土鍋炊きである。
イタリア産のコシヒカリ"ゆめにしき"を土鍋に加え、しっかりと水洗いをしてから米と同量の水を注ぐ。

米が十分に水を吸うまでそのまま常温に置いておく。

米を置いている間に味噌汁に使う出汁をとっていく。
もちろん昆布も鰹節もこちらで売られているわけはないので、日本から持ってきたものである。

昆布はごく弱火で60~70度に温める程度の火でじっくりと旨みを抽出する。十分に出汁が出たら火を強くし、煮立つ直前に昆布を取り出して差し水をしたのちに鰹節を加えて一番だしをとる。

再び煮立てば手拭いを使って出汁を濾す。

そうしているうちに、米も十分に水を吸って炊飯の準備が整う。
残っている水が少なすぎるようであれば、少し水を足しておく。

実際のところ、私個人の経験としては土鍋で米を炊くときは炊飯器の場合に比べて多めに水を使う方がうまく炊き上げることができる。

火力を強火に合わせたコンロに土鍋を移し、米を炊いていく。
土鍋で米を美味しく炊くにははじめに強い火力で熱し、ある程度火が通ってから火を弱めて炊き上げる必要がある。

しかし、うちのアパートは電気コンロなので、スイッチをひねったとてすぐに温度は下がらない。

…ので、我が家では米を炊く際にはコンロを二口 使って、片方を強火、もう片方を中火くらいに設定しておいて、土鍋を移動させることで炊き上げることにしている。

味噌汁を作る_

先ほど取った出汁を小鍋に注ぐ。
念の為、もう一度漉しておく。

味噌汁の具材には豆腐と三つ葉を使う。

私の住んでいるあたりでは生の葉物野菜はほとんど手に入らない。
葱に関してはポロ葱が主流でいわゆる白葱は売られていない。そういう事情で、我が家では窓際でプランター栽培している三つ葉を重宝している。

我が家の三つ葉は白夜の日差しの恵みを受け、三つ葉とは思えないほどに太く逞しい茎と手のひらほどの大きく広がった葉を持つに至っている。

一方で豆腐だが…。
こちらでは豆腐は基本的にチーズ売り場に並べられている。その程度の認識なので、当然ながらまともに美味しい豆腐というものは基本的には手に入らない。

このアジア食品ブランドの豆腐はその中でもかろうじて"豆腐"らしさを感じさせるもの。日本の美味しい豆腐を想定していると、だいぶ残念な気分になってしまう味ではあるのだが…。それに、賞味期限が1年近いのが気になる所ではあるのだが…

ただ、触ると"きちんと崩れてくれる"辺りは豆腐らしくて良い。そのくらいのレベルなのである、こちらの豆腐は…。

考えてみれば中国でも豆腐は使われる食材であるので、中国の食品メーカーであればある程度まともなものが作られているはず…。

もしかすると中国の豆腐はこういう感じなのだろうか。

さておき…
味噌汁作りの続き。

なぜかこの辺り(スウェーデン全土か?)では白味噌だけが流通している。京都暮らしが長かったとはいえ、さすがに白味噌だけでは物足りない。

ということで、我が家では日本から麹を持ってきて自家製の味噌を仕込んでいる。

特に今は夏なのだから、やはり味噌汁には赤味噌が基本である。

少量の出汁を加えて伸ばしつつ、すりこぎでしっかりと味噌をすっておく。

出汁を温めて豆腐と三つ葉を加え、さっと火を入れたのちに味噌を加えていく。

沸騰させないように温め、味噌汁は完成。

ハムエッグ作り_

ハムエッグの材料はこちら。
ハムは"extrarökt skinka"と呼ばれるものを使う。スモークハムというところだろうか。

卵については、スウェーデンの卵は実はサルモネラフリーなので、生でも食べられる日本人にも優しい食材である。

では、ハムエッグ作りを進めていこう。

まずは付け合わせのレタスの千切りから。

続いて、フライパンに油を敷いてハムを軽く両面炒める。
今回使うハムは少しサイズが大きすぎるので、半分に畳んで使う。

卵を割り入れ、目玉焼きを焼いていく。

ある程度火が入れば、蓋をして火から下ろす。そのまま余熱で蒸し上げると綺麗に仕上がる。

盛り付け_

というわけで、調理は全て終了したので、盛り付けて仕上げていく。

盛り付けが終われば、あとは美味しくいただくだけである。

完成_

完成がこちら。

普段はあまり目玉焼きとご飯は合わせないのだけれど、たまにはこういう調色も悪くないかな。しっかり食べて今日も仕事を頑張ろう。

それでは、いただきます。

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