合気道の中心帰納法とタンゴ
合気道には、中心帰納法という特異な技術が存在します。これは相手と結んだ緊張、腹部の深いリラクゼーション、そして脳幹意識の3つの要素で構成されています。これらの要素は別々に練習を始め、最終的には同時に扱うスキルを磨くことになります。
この技術を活用すると、見る人には受け手がまるで魔法のように簡単に倒れていくように見えます。
力が抜けるポイントと身体の流れ
人間の体には、力が抜けるポイントが存在すると言われています。
私が感じる「力がなくなるポイント」は、自身の正中線上に腕を下ろした位置です。この位置で腕をスムーズに動かすことができると、相手に対して技を簡単にかけられる感覚があります。まだ合気道を始めて半年も経っていないため、これが確定的なものだとは断言できませんが、これまでの経験と理論からそう推測しています。
次に、「身体の流れ」について説明します。これは地球の重力が体に及ぼす影響と、関節の動きによって生じる筋肉や皮膚の流れを指します。
身体全体を考えると、皮膚は外側(表)と内側(裏)に分けられます。曲げる時の皮膚の方向性が「流れ」です。例えば、手のひらは内側に曲がり収縮し、手の甲は外側に曲がり伸展します。これを全身に適用すると、収縮する動きと伸展する動きに分けることができます。そして、腹部の流れは内側に向いています。ここにはへそがあり、私たちはこの位置から母親の体内で栄養を吸収していたのです。
このポイントは、自然に手が収まる場所であり、リラックスして力を入れることができます。このポイントに腕を下ろすと自然と力が抜けます。
リラックスして動くと相手とのつながり
ここから学んだ教訓や洞察は、
リラックスして動くこと、相手と瞬時に繋がること、筋肉に頼らずに動くこと、そして重力や関節の動きから生じる「流れ」が動きを生むということです。人間の体は70%以上が水分で構成され、常に流動しています。この力を理解し利用することで、私たちはより効果的で意味深い動きを実現できます。これらの洞察は、合気道だけでなくタンゴでも有用であり、相手と深い繋がりを築くために役立ちます。
これらの原理はタンゴと深く関連しています。
タンゴでも、相手の力や流れを活用し、リラックスした状態で動き、相手とのつながり(インテンション)を重視することが求められます。合気道では、相手とのミラーリングが重要とされます。つまり、相手と衝突せず、瞬時に適応する能力が求められます。
合気道の中心帰納法と同様に、タンゴでも自身の中心から動き出し、パートナーの動きに応じていきます。これがタンゴの踊り手がしばしば「コネクション」や「リード&フォロー」について語る理由です。
私の合気道に対する理解はまだ浅いですが、これらの練習を通じて、自分の体の中心と流れ、そしてそれらがどのように相手との関係性に影響を与えるかについて、深く考えるきっかけを得ることができました。
GYU
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