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工場の明かり・偽

年末になると顧客からの注文が重なる。
毎年のことだ。
ここ数日は短納期の製品加工が続いている。
従業員を帰らせ、
一人でできるような仕事をこなしていた。
金曜日ともなると流石に疲れた。
土日も出社しなきゃと考えながら工場を出る。
車に乗り込んだが、
鍵を閉めたか心配になり、
確認のために引き返す。
ドアのすりガラスに薄明かりが見える。
はっきりは見えないが、
先日亡くなった父が黙々と作業を手伝ってくれているように感じた。

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