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アンティークのナイフ・偽

アンティークのナイフを手に入れた。
刃物づくりの名人が、
その切れ味を確かめる為に、
夜な夜な街に出て殺人を繰り返しながら仕上げた逸品だ。
彼は職人としてだけでなく殺人鬼として有名になってしまったが、
そのナイフはとても美しく、
マニアの間では高値で取引されている。
魅入られない様に気をつけろと店主は笑った。
もちろん使う気などない。
ただ、毎晩夢を見るようになった。
夜中にナイフと徘徊する夢を。
夢だと思うのだが…。

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