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口内炎

抗がん剤の作用により、口腔粘膜の細胞が障害をうけ、口腔内がおこりやすくなります。口内炎ができると、痛みで食事がとりにくくなり、その結果、栄養不足から口内炎が治りにくくなるという悪循環が起こりがちです。なるべく口内炎が起きないように、予防することが大切です。 

 【口内炎の発生時期】抗がん剤使用後の2〜14日ごろより出現しやすくなります。抗がん剤は、がん細胞だけでなく、頻繁に分裂している正常細胞にも影響を与えるので、口腔内だけでなく、咽頭、喉頭、食道、胃粘膜にも粘膜障害をおこすことがあります。 

 【口内炎のメカニズム】抗がん剤治療を受けるがん患者さんにみられる口内炎の発生には、2つの原因があります。

・抗がん剤の直接作用

抗がん剤投与により活性酸素が生産されると、口腔粘膜細胞が破壊されたり、再生が障害されたりすることで炎症反応がおこり、口内炎を生じます。

・好中球に伴う局所感染

抗がん剤投与で起こる好中球減少時に、口腔内の常在菌による局所感染によって口内炎が起こります。 

 【日常生活の注意点・セルフケアポイント】

・治療開始前に虫歯、義歯の処置や調整を行っておきましょう。

・柔らかい歯ブラシで口の中を傷つけないようにやさしく磨き、口の中を清潔に保ちましょう。

・口の中の乾燥を防ぐために、ガラガラうがいやブクブクうがいも有効です。

・唇の乾燥を防ぐために、リップクリームを塗るとよいでしょう。

 【口内炎ができてしまったら・・・】

・食事はできるだけ薄味にする。

・口の中でつぶせるくらいの柔らかさにする。

・トロミのある食事にする。・冷ましてから食べる。

・酸味のある果物や刺激のある香辛料は避ける。

・ひどい場合は、担当医師や看護師、薬剤師に相談しましょう。

『避けたほうが良い刺激物』

・熱い物:熱調理したての食べ物、入れたてのお茶など

・塩辛い物:漬物や塩辛など・辛い物:香辛料を多く使っているカレーなど

・酸っぱい物:梅干し、酢漬けされているものなど

・硬い物:固焼きせんべい、あたりめなど

・乾燥した物:フランスパン、海苔、ポテトチップスなど

・酸味の強い果物:レモン、はっさく、グレープフルーツなど

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