見出し画像

【い】伊藤家の食卓 は イ・ジョンソクに負けた

過去の思い出をほっこり振り返るはずだった。

「ビールの泡を復活させるためには
 割り箸の束をグラスに突っ込むとよい」

と聞いて、内緒で父親のグラスで試したこと。

「習字の筆を洗うには
 ペットボトルを使うと便利」

と知って、あらゆる形のペットボトルを
引っ張り出して、洗面所でひとりでに
試行錯誤したこと。

放送翌日の学校は裏技の話で持ちきりで、
幼い頃のバイブル的存在だった
火曜夜7時「伊藤家の食卓」を
ぬるま湯に浸りながらゆったりと思い返す予定だった。


が、思わぬ存在に上書きされることとなった。

「イ・ギョンソク」

ついに危険な沼に出会ってしまった。

正確にいうと気が付いた時には
もう腰くらいまで埋まっていて
どうも抜けられなさそうにない。

人間離れしたスタイルと優しい笑顔に
まんまと骨抜きにされて
頼もしい一面や可愛げのある仕草のギャップに
心臓が肌を突き抜けるかと
何度ヒヤヒヤしたことか。

実際のところ、現実世界では
目にしたことのない素敵な言動に、
幾度となく開いた口が塞がらなかった。
電車で、お風呂で、ベッドで。

これは人に話したことはないのだけれど、
彼の一番の魅力はなんといっても
「まばたき」だと思う。

愛する女性に向ける優しい眼差しや
微笑みは大前提魅力的なのだけど、
彼の作品を見るときは、
是非瞼の動きに注目してほしい。

目を閉じていながらも
これほどまでに想いを表せるなんて。

彼は一体何者なんだろうか。
すげえよ、イ・ジョンソク。

甘いセリフや
ヒロインのかわいい反応が見たくて
何度も堪能する人はいるだろうけれど

「まばたき」が見たいがために
擦り切れるほど巻き戻す人がどこにいるのか
と、我に返ると
恥ずかしさのあまり途端にため息がでる。

でも不思議なもので、自分の羞恥の部分を
誰に伝えたいわけでもなく書いてみたくなる。

人間って不思議な生き物だ。

この先のワードも、過去の思い出だけでなく、
夢中な今や、願う未来も時々混ぜてみても
いいのかもしれない。

過去が創りあげた自分だけが全てではなく、
そんな自分が生きる今や、
描く未来も含めて自分なのだから。

イ・ジョンソクは
どうやら年明けに兵役から帰ってくるらしい。

売れっ子真っ只中で兵役に向かった彼は
一体どんな気持ちだったのだろうか。

兵役前後で見える世界は
少しでも違っているのだろうか。

いつか韓国語をマスターして、
彼から見える世界の話を聞いて、
彼のまばたきを目の前で拝んでみたいものだ。

考えてみれば
やりたいことはたくさんあるなぁ。


₍ ᐢ. ̫ .ᐢ ₎.o0(日本のエンタメ業界はブランクを恐れているような印象があるけれど日本に兵役があったらどうなっていたのだろうか)

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?