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さくらねこちゃん

私は動物が怖いまま大人になってしまったが、コロナの影響で動物を愛でるようになった。これは驚きの変化である。

コロナと動物に何の関係があるのかと思われたと思うが、私だって何を言っているか分からない。

ただこの1年で急速に猫や犬を可愛い!と思うようになったというお話。

恐らく、急に生活が一変した不安感をあの伸び伸びとした姿や表情が和らげてくれたのではないかと思う。

ワンコとの確執の歴史は長いのでまた何かの機会に話すとして、今はワンもニャンも、可愛くて可愛くて仕方ない。道で見かければ怪しまれない程度に横目で追い続け、たくさんUPしてくださる飼い主の皆さんに毎日感謝しながらネットの海を漁る日々です。


これは昨年の春。

桜の時期は、いつもと帰宅ルートを変更し、桜が咲く公園を通って帰る。ぐるりと桜が植えられたその公園は、極こぢんまりとしているが、近所一の桜スポットに認定している。

去年の桜の頃と言えば、今に続く先の見えない未知のウイルスに右往左往し始めた頃で、何だか気が晴れない日々だったので(まあ今もだけど)、この日も桜で気分転換する気持ちで立ち寄った。

すると、いつもいる野良猫ちゃんが桜を見上げている!

か、かわいい!!!!!!!!

お、おまえ!!!!!!桜、見上げてるんか!!!!!なんてかわいいんや!!!!!!!(今思えば、虫かなんかでもいたかな?)

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なんやねんヒト!見んな!と言わんばかりですね。

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イカ耳ってやつですね。最近知りました。お怒り表明。ごめんて!!!

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私と同じく、おお~!と桜を見上げていた野良猫ちゃん。あまりの可愛さに、恐る恐るカメラを向けて撮影しました。相当、怪しい動きをしていたと思われます。

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昔の私なら、野良猫を見つけたらまず逃げる!カメラを向けようなんて思ったことがなかった。それが「ああ、お前もこの綺麗な桜に見惚れたか、おうおう。かわいいのう。」である。

この桜を見上げる白猫を機に、猫は可愛い!と本格的に知ってしまった。

それからというもの、前述の通りTwitterやYouTubeで画像や動画を漁っては楽しんでいる。今や推し猫が何匹もいる。自分でも信じられない。


この街に住み始めてからずっと、近所に野良猫が多いな~とは思っていた。

時には、車に轢かれてしまった猫を見ることもあり、何とも言えない気持ちになったことは一度や二度ではなかった。

今は取り壊されてしまったけど、住み始めた頃は野良猫の巣窟みたいな、半廃墟みたいな古いビルがあった。薄暗い建物の中に、何匹もの猫が生活しており、春になれば小さな小さな子猫がヨチヨチちょろちょろ、猫はどんどん増えていった。


地域の掲示板に「この地域に住む猫はさくらねこです!」という張り紙を見つけたのはいつの頃だろうか。聞きなれない「さくらねこ」という言葉。

野良猫を地域猫として不妊手術させ、野良生活を送らせつつお世話する。こういった活動があるんですね。

不妊手術した証に、耳の先をチョンとカットして、その姿がまるで桜の花びらのようで、このように呼ばれているそうです。

今の時期この公園は紫陽花の花が綺麗に咲いているので、たまに立ち寄るのですが、ちょうど私の帰宅時間が、猫たちのご飯タイムのようで、ボランティアの方がご飯を食べるのを見守っています。

最大限横目でチラ見しながら通りすぎるけど、ボランティアの方は、私が怪訝な顔をしているように見えるのか、毎度毎度深々と会釈してくださいます。(違うんだよ!可愛いな!て思っているんだよ!)という心の声は届いていないだろうな。。すみません。。。


この活動のおかげで、猫がむやみに増えていかず、痛ましい事故も減ったんだ、と感心した。確かに近頃ではこの公園でたむろしている猫くらいしか見かけなくなった気がする。

知らないところで世の中はどんどん変わっている。

実家はお店をやっていたのでペットはちょっと、と動物を敬遠していたが、単にみんな動物が苦手だったんだと思う。

子どもの頃から猫を飼っていて猫好きだった婿殿の父は、猫は可愛いのに…としょんぼりしていたものだ。

父の妹も猫が大好きで、よく手紙の隅に飼い猫のイラストを描いていた。最後に会った時にも「猫は最高だ」と熱弁していた。


その時は分からなかったが、今は分かる。猫は最高。

次におばちゃんに会える時が来たら私も熱弁しよう。

猫は最高だ、って。




おわり




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