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世界の解像度を上げる時間割

『学校の勉強は将来何の役に立つんだ!』

なんて勉強したくない子どもの常套句にあるが、私自身勉強したことが明確に役立ったことが二度ある。

いや、厳密に言えば二度どころではない。日常的に足し算や、引き算、掛け算、割り算は使うし、こうやってnoteで文章を書くにも誤字を交えつつも漢字を使ったり、慣用句を用いてみたり、句読点を打つ、なんてのも全て学校で習って身についているものだ。

ただ、実生活であまり使わないor使いどころが分からないものがたくさんあるのも事実。

この『二度』はどちらも私が使うとは想定していなかったので、とても鮮明に記憶に残っているものだ。


一時間目・英語「ハンバーガーショップにて」

これは大学生の頃、ハンバーガー屋でアルバイトをしていた時。

観光地の横にあるショッピングモールに入っていたこともあり、外国人のお客様もたまにいらっしゃった。

ある日、私がレジで応対した外国人のお客様はどうやら日本語が分からないようだったので、拙い英語と英語のメニュー表でオーダーを伺い、最後に「どこで食べるか」を尋ねないといけない。そのとき咄嗟に中学校の英語の教科書で習った「For here or to go ?」を発動した。

「For here.」と返ってきたので伝わったようだった。

まさか、教科書の構文のまま使う日が来るとは・・・と感激に震えた。

次は「Is it a pen ?」「NO, it's a dog.」の発動が待ち遠しいものである。(そんなの教科書載ってないよ)


二時間目・算数「バンズを焼こう」

つい先日、バンズを焼いた

直径10㎝のセルクルがないならアルミホイルで作れ、との指示に従いアルミホイルセルクルを自作した。

『餃子さんは、直径10㎝の円が作りたいです。ではアルミホイルは何cmにカットすればよいでしょう?』

円周率が3.14ということは、31.4㎝の長さに切ったアルミホイルをくるっと巻けば原理上直径10㎝の円になるのでは・・・?と私は生まれて初めて実生活で円周率を使った。(皆さんは日常的に使うもの?🤣)

31.4㎝前後の長さにカットしたアルミホイルを巻いたら本当に直径10㎝の円が出来た。私はまたいたく感激した。

恐らく、英語を日常的に仕事や生活で使われる方、円周率も仕事によっては使われる方はいると思いますが、全く使う想定をしていなかった私はとても感激した。



元々勉強は嫌いではないし、知識はなくて困ることはあっても、あって困ることはないと思っている。

習ったこと、知っていることに別のどこかで出会えると心が躍る。

知識があるということは、世界の解像度が上がる。だったかな?そんなことをTwitterで見かけてそうだなあと思った。

知識がなかったり、知らないことが多くても見え方や見える範囲が異なるだけのこと。でも、世界がクリアに広がっていくのは面白い。

英語や算数以外でも、例えば誰もが知るような有名な小説や映画、知らなくても生きていけるが、知っていると有名なセリフや一文を引用したり、オマージュされた作品やパロディ表現されたものに出会ったときクスッと笑える。

それだけで人生はちょっぴり面白い。

つい昨日のカレーの記事PATAさんから頂いたコメントなんてまさにそれ。恥ずかしながら知らなかった私は速攻で調べた。なんて面白いの・・こんなことがサラっと出るのに憧れるし、知らなかったことが悔やまれた。


過去思いがけず岐阜城に連れて行ってもらったことがあった。きっと歴史を勉強していればもっと感激しただろう眺めも、ただ眺めがいいな~で終わってしまってとても残念だった。

景色がいいだけでも素晴らしいが、歴史的背景を知って見る素晴らしい景色はさら鮮やかに映るだろう、と思った。



語学や数学、文化や芸術、そして歴史や地理や生物や科学全てを広く深く学ぶことは難しいが、浅くても知っていると楽しいのだ、ということは分かっておきたい。


なので、こんなの将来役に立たない!と勉強を回避しようとする子供には、将来バンズを焼くときに円周率が役に立つし、ハンバーガー屋さんで働けば英語が活きる時が来るし、色々な名作を見ているとくすっと笑えて楽しいよ、と教えてあげたい。

ただ、私は子供が勉強を回避するシーンになかなか出くわさないので伝えるタイミングがなかなか訪れないのが残念である。


でも、駄々をこねている子供に出くわしたらきっと伝えよう。

「学びは世界の解像度を上げるよ」って。




おわり



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