音楽音楽音楽

最近気づいたが、自分は結構音楽が好きなのかもしれない。

人口ランキングワースト3位以内に入るような県出身の私だが、高校時代からまだインディーズに近かったころのクリープハイプや大森靖子、あとそこから派生して銀杏BOYZを聴いたりしていた。神聖かまってちゃんとかも。BUMPやRADなんかも当然とおった。近所のツタヤとビビッドピンクのウォークマンに、たしかに私の青春があった。

そしてそんな私の音楽鑑賞の土台を築いてくれたのは、はす向かいに住む同い年のMちゃんだった。彼女とは別の高校に通っていたが、学校生活に消沈していたときに偶然道ではち合わせたりして、そんな日には夜8時くらいまでバンドのライブDVDをみせてくれたり、衛星放送チャンネルで録画した映画をみせてくれたり(ex. ラブ&ポップ、百万円と苦虫女、少女椿 etc.)、小魚の踊り食い動画をインスタで保存したやつを「私これめっちゃやりたい」と言ってみせてくれたり、舌にピアスをあける話をしてくれたり、地下アイドルの話もしたかな。とにかく「サブカル」だった。そんな彼女は私のオピニオンリーダーだった。

残念なことに大学進学先は彼女は関東、私は関西と離れてしまって最近は年一回も会えていない。でも半年に一回電話してくれるから彼女はやさしい。下北のガルバでバイトをはじめた彼女は関東的な会話が上手になったし、もうサブカルはあまり好きではなくなったみたいだ。去年の秋くらいに電話しているとき「ああ、もういいかな」と思った瞬間があって、それは彼女が大人になってしまった証拠だったと思うし、私がまだ青春を諦めきれてない証拠だったのかもしれない。でも妄信的でなくなった点に関しては私も成長できたのかもしれない。ただまだ私の中にはあの高校時代のMちゃん、セーラー服着たMちゃんの亡霊が生き残り続けていて、大学時代はそんなサブカルを武器にコミュニケーションを開拓していった。


さて、話がわき道に逸れてしまった。ただ今月のオススメインディーズバンドの話がしたかっただけだったのに感傷に浸ってしまった。アーメン。

サブスクリプションサービスってのはとても便利だ。ウォークマン世代、さらにその前のMD世代には成し得なかったことを確実に遂げようとしている。というのもApple Music達は、アプリのアルゴリズムが解析したリスナーの傾向に合わせランダムに曲を投下してくれる。(ヤツはそれを「同じようなミュージックを自動再生中」と呼ぶらしい。やるじゃん) そしてそれにより少なくともいいインディーズバンドの発掘は容易になっている、そう思う。私にもそれができているから。

しかし自分の「音楽の土台」みたいなのを築くのは、急にできることではないんだと思う。そこに至る過程には、やはり多くの「他人によるオススメ」があった。数十行前に述べたサブカルを媒介としたコミュニケーションによって私はandymoriやドレスコーズ、ゆらゆら帝国やsyrup16gほかにもまあいろいろ、知ることができた。

裏垢女子やってた頃に知り合ったおじさんが教えてくれたシューゲイザーってジャンルはたぶん結構、感性にマッチした。my bloody valentineやSigur RosやSlowdiveをおじさんは好んでいた。女性性を武器にして得た土台、きもちわるいかもしれないけど音楽をはじめる男だって大半は「モテたいから」と思って音楽はじめてるし、いいんじゃないかな。

こないだTwitterのいいねで回ってきたツイート

ある種の小手先でプロっぽく見せる加飾の技がウケない時代になっている。本当に骨太なリアルな価値を磨かないと売れない時代といいますか。(中略)より装飾をそいだ本質に磨きをかけたものが勝負して勝てるとか、その人たちが届ける媒体はネットで民主化されているとか、タフだけどとてもいい時代だと思う。本物のいいものが埋もれて売れない確率はかなり下がった時代だと思っている。

このサブスクリプションの形態も割とそれに近い話なのかなと思っていて、TikTokとかもそうだけど、確実にファンが売れるものを決定する時代が到来しているのでは?と最近感じている。(余談だが、だから私はTVに人気商品を吹聴したり、簡単に流行りコンテンツとコラボして経営状況を悪くしているバイト先のローソンの経営方針が嫌いだ)

時代はファンの時代だ。そういう機運が確実に高まっている気がする。しかしながらファン規模の話となるとそれはまた別の話で、世の在り方が「島宇宙化」と呼ばれるようになって久しいが、その島にいったい何人を呼び込むことができる気候や土壌があるか、言い換えるとその気候や土壌=バックグラウンドを共有している、したい人物が存在しているかというのはまた別の話、そういうことなのだ、と思う。

そろそろブログを閉めようと思うが、今回のブログはこの人に確実に怒られるような作りになっている気がする。


ので、拙いがリンクを引用させてもらった4つのバンドについての紹介コーナーを最後に設ける。すみませんバンドのみなさん。

極東飯店…2020年春に活動を開始したばかりのバンド。オルタナ、ガレージリバイバル、グランジ等に影響を受けたキャッチーなサウンド。下北沢らへんで活動している。1000人くらい。
天国旅行…2018年冬に活動開始。宅録。札幌拠点の活動。700人くらい。
シンガーズハイ…これは売れそう。2020年春に活動開始。YouTube再生回数結構多い。高音がすごい疾走感のあるパンク。東京。1500人くらい。
中華戦争…たぶん2020年冬。東京都。400人くらい。

でも結局は音がいいと思いました。ファンと呼べなくてごめんなさい。そして日常を彩ってくれてありがとう。


じゃ。

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