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Vol.5ドローンと資格制度のお話

本日のテーマは、ドローンを飛ばすのに免許はいるの?
ドローンに関する資格・免許のお話です。

この記事を読むと、
ドローン業界の資格制度の全体像がわかるようになります。


ドローンを飛ばすのに免許は必要なの?

まず、車の運転免許のような免許は、ドローンにはありません。
また、ドローンを飛ばすにも特に必要な資格はありません。

勘違いされている方も多いかもしれませんが、ドローンを飛行させるのに資格が必要と思われているようですが、そんなことはありません。

ドローンを飛ばすのに必要な資格や免許はありません。

本日のテーマは、ここだけ覚えて帰って貰ったら大丈夫なくらいです。

ちなみに、FPVドローンのように特別な電波を使って飛行させるドローンについては、アマチュア無線等の電波法の免許が必要ですが、これはドローンを飛ばす為の免許ではなく、あくまで電波を使用する為の免許です。

では、ドローンの資格というのはどういったものなんでしょうか

ドローンの資格の概要

ドローンの資格としては、国の資格と民間の資格と大きく分けて2種類があります。
ざっくりとした体系図としては以下のようになります。

国家資格については、一等・二等と分かれていますが、どちらもドローンの操縦技能に関する資格です。
民間資格は、呼び名も様々ですが、一般にドローンの操縦技能資格と、ドローンを安全に飛行させるために全体的な管理を行う運航管理者資格があります。

民間資格の特徴

飛行技能に関するもの

民間資格は国家資格ができる前からあります。
民間資格を取ることのメリットとしては主に以下が考えられます。
①ドローンの飛行技能習得を習得できること
②権威性

①については
特定飛行の許可・承認を得るにあたり、ドローンの飛行時間が10時間以上、かつ、ドローンの知識を有していることという国土交通省指定の条件があります。
これを国土交通省が認定するドローンスクールで認定資格を取ってしまえば、この条件をクリアできるというものです。

その他特定飛行の「夜間飛行」「物件投下」「目視外飛行」を一定程度技能を習得したということを証明するといった資格もあります。

以上から民間資格というのは、ドローンの飛行技術を習得しているということを証明するもの、いわば、技能証明という位置づけにあります。

②については
ドローンの仕事等をする際、『あの団体の認定資格を持っている』という顧客から見た安心感といったところでしょうか。

その他の技能資格

飛行技能証明以外では、ドローンによる空撮技術~動画編集技術までを一括で学べるもの、インフラ点検用の技術・知識を学べるもの、農薬散布といった農業を行う際の技術を学べるものというように、単にドローンを飛ばすものから仕事にそのまま活かせる技能・知識を習得できるものと様々なものがあります。

ご自身の興味ややりたいことを考えて、資格を取得することができます。

運行管理者資格とは

ドローンは、ひとりで飛ばすもの、というイメージがもしかするとあるかもしれません。
凄く広い草原や海といった場所で飛ばす場合は、ひとりで飛ばしてもさして問題はないかと思いますが、人口集中地区などでドローンを飛ばすような場合、第一優先とするのが、第三者への安全です。

その安全を確保する為に、ドローン飛行現場では、操縦者以外にも『補助者』をつけ、運航管理者と三者で対応することが多いです。
実際、ドローンのお仕事では、運航管理者資格を持っていることが前提の仕事の依頼というのもあります。

国家資格の特徴

2022年12月4日からドローンの国家資格が始まっていますが、始まったばかりでその恩恵の全てを受けられるものではまだないです。

国家資格を取る最大のメリットは、一部の特定飛行に関して、国土交通大臣の許可・承認を受ける条件が緩和されるということです。
どういうことかと言うと。。

出展:国土交通省HP

こちらのフロー図における赤枠で囲んだ「カテゴリーⅡ」及び「カテゴリーⅢ」が対象となり、

カテゴリーⅡについては、特定飛行のうち、人口集中地区・人または物件との距離が30m未満・夜間飛行*・目視外飛行*について、二種無人航空機操縦士資格を保持しかつ、第二種機体認証以上を受けたドローンを使うことで、許可・承認が不要となります。

二種無人航空機操縦士資格だけではなく、第二種機体認証を受けたドローンを用いて飛行させる必要があります。

ちなみに、2023年4月8日現在、第二種機体認証を受けたドローンはありません。
*:単に「二種無人航空機操縦士資格」を取得しただけでは、夜間飛行・目視外においてその資格はありません。別途限定解除という作業が必要です。

カテゴリーⅢについては、特定飛行に該当する飛行を行う際、立入管理措置を講じることが求められますが、一種無人航空機操縦士資格を保持しかつ、第一種種機体認証を受けたドローンを使用することにより立入管理措置を講じなくても許可申請を取ることができるというものです。

こちらも、一種無人航空機操縦士資格だけではなく、第一種機体認証を受けたドローンを用いて飛行させる必要があります。

ドローンで仕事をされる場合で、国家資格を持っているという権威性により仕事の受注に繋げたい、または、特定飛行をバリバリ行うっていう人については国家資格を取得するメリットはあるかと思います。

しかし、ドローンは趣味で飛行させる、もしくは特定飛行に該当しない飛行や方法で仕事で飛ばすという方には、あまりメリットは多くないかもしれません。

国家資格を取るには

国家資格を取るには、技能(実地)試験と学科試験の2つに合格する必要があります。学科試験は試験を受けることができる場所にいって受検し合格する必要があります。
技能試験に合格するには、2つの方法があります。
1.ドローンスクールに通ってそのドローンスクールの試験に合格する。
2.国土交通省が認定する技能試験を行う団体に技能試験を受けに行く。
  (いわゆる、一発試験のこと)

1.のドローンスクールに通う場合、少々注意が必要なのが、民間資格を持っている『経験者』(扱い)の人と民間資格を持っていない『初心者』の人で値段がだいぶん違います。
ドローンスクールにもよるとは思いますが、何十時間と飛行経験があったとしても、基本的には民間資格を持っていなければ初心者扱いとなるところが多いようです。
何十時間も飛行経験があるような方は、あらためて、ドローンスクールに通うよりは、2.の一発試験での合格を狙う、というのもありかもしれません。

幸い、国土交通省からも技能試験でどういったことをやるのか、といった情報も公開されていますので、その公開された情報を元に練習することもできると思います。

以下に国土交通省から出ている試験情報のリンクを貼っておきますね。


まとめ:ドローンを飛ばすのに必要な免許も資格もありません。


いろいろと書きましたが、今回のテーマで重要なのは、このまとめの一文に集約されていると思います。

あとは必要に応じて、資格制度を利用頂くにあたり参考になれば幸いです。

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