今さら聞けない?! 【陶器】と【磁器】って何が違うの??


陶器(左)と磁器(右)

玉有では、いろいろな窯元さんの特徴に合わせて器づくりをお願いするので、様々な器をご用意しております。

そこで、今日は分かっているようで、どうも自信がない。。。というお客様の為に、すごーく簡単に【陶器】と【磁器】について説明させていただきます!

原料としての違い

まず、陶磁器という言葉をよく耳にされると思いますが、陶磁器はその原料で大きく【陶器】と【磁器】とに分けられます。※専門的には他に土器や炻器(せっき)というのも存在するのですが、話が複雑になるので、今回は【陶器】と【磁器】についてのみ!でいきますね。

先程、原料という言葉を使いましたが、一番違うのは、
【陶器】の原料は『土』特に粘土、【磁器】の原料は『石』
ずばりこの点です。

陶石

【陶器】の原料となる土は、極端な話をすると、皆さんが目にする裏山の土でも、田んぼの土でも、正しい工程を踏めば、陶器を作れます。とはいえ、質の高い陶器を作るには、質の高い粘土であることは大切で先人達は質の高い粘土を必死になって探し回って下さったんです。全国的に有名な陶土としては、唐津(佐賀)、信楽(滋賀)、美濃(岐阜)、瀬戸(愛知)、常滑(愛知)、萩(山口)、伊賀(三重)などなど、ぱっと思いつくだけでも沢山あります。

では【磁器】の原料となる石。私たちは陶石と呼んだり、磁石(じせき)と呼んだりします。石をパウダー状になるまで砕いて、不純物を取り除き、水分を含ませ粘土状にして成形します。陶石となりうる条件は陶器を作る粘土よりも限られていて、全国の産地もそう多くはありません。天然陶石で有名なのは波佐見焼や有田焼を支える『天草陶石(熊本)』、九谷焼を支える『花坂陶石』などです。

天草陶石所

仕上がりの違い

では、原料の違いは、陶磁器の仕上がりにどんな違いを生むか、ですね。
※陶器の場合はその種類、技法の多様性があり、飽くまで一般論でお話ししますね。

(硬さ)
仕上がりの大きな違いは『硬さ』です。
一般的に【陶器】が弱く、【磁器】が強く焼きあがります。
それは、窯の中で与える熱量が大きく影響しているのですが、これまた話が難しくなりそうなので、また今度!
この硬さは、器を叩いたときの音に違いが出ます。
【陶器】はコーン、とかカーンとか柔らかい音が多く
【磁器】はキーン、とかチーンとか金属音に近い響く音を出します。
※磁器にヒビが入っていないか調べるときは指で弾いてみると、このキーンやチーンがビーンみたいな鈍い音が鳴れば、ほぼヒビが入っています。

コーン♪カーン♪
キーン♪チーン♪

(吸水性)
あとは吸水性ですね。【磁器】に吸水性はありませんが、多くの【陶器】には吸水性があるため、扱いには気を付ける必要があります。陶磁器の本に時々「陶器はご使用の前に米のとぎ汁で煮ると目止めできます」というのを目にしますが、私はあまりお勧めしていません。陶器のことを凄く大切に扱える方ならいいのですが、例えば梅雨どきに生乾きの陶器などを食器棚に収納すると、とぎ汁の糖や炭水化物に菌が付き、カビや異臭の原因になることがあります。なので、まず、その陶器の吸水性がどんなものか使用前に水道水を当てて確認し、吸水性が高い陶器であれば、使用前にきれいな水を含ませて水で目止めをしてください。そして使用後は早めに洗って、しっかり乾燥、そして収納です。

(透光性)
最後に透光性があります。【陶器】は光を通さないのですが、【磁器】は光を通します。この違いを利用した、陶器や磁器の照明器具もありますので、一度調べてみてください。


と、簡単にご説明させていただきましたが、何しろ奥の深い陶器1000年、磁器400年といわれる歴史のある陶磁器の世界。こんな簡単な説明では説明のつかないものもございます。一番楽しいのは作り手さんに聞いたり、売り手さんに聞いてみることです。そうやって買った器には愛着が湧きますからね!

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