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2019年1月よりはじめたビッグイシュー講談会。

なぜ、ビッグイシューの皆さんとご一緒させて頂こうと思ったのかというと、大元は阪神百貨店なんです!!
(さらに、その前を辿ると、ハーモニーフィールズさん、その前になるとスウェーデン留学となりますが、今回はややこしいので、割愛します(笑))

講談師と阪神百貨店、何の関係があるの?
普通はそう思いますよね。

でも、実は僕の殆どは阪神百貨店の催場によって作られております(笑)。

そこにいらしゃった素晴らしく面白い企画担当者様のお陰で、普通の講談師の活動ではご一緒できないような方々とお仕事をご一緒させて頂きました。

お仕事の殆どはいわゆる司会。またはトークショーの相手方。
そこで関わらせて頂いた方々は普通ではお話を聞かせて頂けないような方ばかりでした。
そこで、物凄く刺激を受けました!!

で、そんな色んな企画の中でご一緒させて頂いたのが、ポートランドフェアでした。

ポートランドはアメリカのオレゴン州(西海岸)の都市の1つで、アメリカ人が住みたい都市ランキングの上位に位置する町なんです。

そのポートランドがいかに素晴らしいかをご紹介する催しでしたが、その時に紹介させて頂いた1つが、NPO法人のビール醸造所『EX NOVO』でした。

EX NOVOの事を知るまではNPOって、身を削って人の為に尽くしている感じ、あるいは、無理をしながらでも多くの困っている方のために尽くしているイメージがありました。

でも、EX NOVOはそのイメージを壊してくれました。

それはEX NOVOの標語に現れております。
それは
DRINK BEER. DO GOOD.
(訳:飲んでくれたら利益の全部を世の中のために使うから、俺たちの旨いビールを飲んでくれ。※尺があってなくてすみません。)

これ素敵な考えじゃないですか?
飲むというとても楽しい行為が世の中の為になるんです。

でも、ビール自身が美味しくなかったら、この標語も逆にかっこ悪い感じになるんですが、EX NOVO のビールは美味しいんです。しかも、ラベルがめっちゃカッコいい!!

みんなに喜んでもらいながら、社会貢献ってできるんだ!!!

この言葉は物凄く目を開かせて頂きました。

で、ぼくは

WATCH KOUDAN. DO GOOD.

をしたくなりました。

そんな事を思い始めたときに、『たまたま』出会ったのがビッグイシュー編集部の方でした。

『たまたま』が重なる時は『GO』の合図!!!

すぐにお話をさせて頂くと、トントン拍子にお話が進み、3か月後には、ビッグイシュー講談会がスタートしたのでした。

折角の機会なので、ビッグイシューを販売されている皆さんに『講談をご覧頂こう』ということで無料でご招待させて頂いている中で、ホームレス経験者の皆さんのお話をお伺いする機会が増えてきました。

そこで、思ったのは
「なぜ、この方々はホームレスになってしまったんだろう??」

お話をお伺いすると、どうも世間で言われている『自己責任』だけで片付かない物語が潜んでいることがわかりました。

で、ぼくの出来ることはただ一つ。
『なぜホームレスになったのかの物語』を語ることだけ!!

ということで、皆様の許可を得て、語らせていただくことになりました。

ビッグイシュー講談会はそこで終わらず、更に進化を遂げました。
今は僕が皆さんにインタビューをして講談を語らせて頂いているだけではないんです。

なんとホームレス経験者のビッグイシュー販売者の中に講談部ができたのです。
そして、毎月1本、自らの物語を講談で語って頂くまでになりました。

これは凄いことです!!
だって、この炎天下の中(冬は逆にあの寒さの中)、路上に一日中立ち続けて、疲れ切っている中で、講談のネタを書き、講談のお稽古をされているんです。

これはなかなか出来ることじゃありません。

そんな講談部の皆様とのやりとりの中で、忘れらない一言があります。

講談部の中にはアパートに住まれている方も、完全なホームレス状態の方もいらっしゃいました。

一番最初に講談を学んで頂いたときに僕はこう言いました。
「それでは、今日の内容をおうちに帰ったら、お稽古して下さいね」
すぐに、『しまった!』と思いました。
講談部の中には路上で生活されている方がいたんです。
そこで、すぐに
「すみません。路上だと、暗くてお稽古できませんよね」
と謝りました。すると、
「玉秀斎さん、大丈夫ですよ。だって大阪の夜は輝いていますから」
とおしゃったんです。

素敵な言葉だと思いませんか?

僕のビッグイシュー講談は4人目のホームレス経験者の方々の物語を語り終えました。
今月から5人目の方のお話をお伺い致します。

皆さんはこちらを信じてお話をして下さいます。
その想いにお答えできる講談にしなくてはいけません。

気をさらに引き締めて、新しい物語を語らせて頂きます!!




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