玉茶庵

柏で22年営業の「適菜適酒 玉茶庵」は2023年閉店いたしました。公認ソムリエ兼調理師…

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柏で22年営業の「適菜適酒 玉茶庵」は2023年閉店いたしました。公認ソムリエ兼調理師の店主が、後進や一般の方に少しでも参考になればと、思いつくままに書き記しました。レシピ等も細かな量等は示してません。料理も酒も、個人の味覚を大切することこそが、拙店のポリシーだったからです。

最近の記事

玉茶庵風ビーフシチューの作り方

    市販でもカレールゥは大体美味しいのに、ビーフシチューの場合、これ1個入れればOKという物には残念ながらまだ出会っていません。だからこそまあ、お店の方は結構高い金を取れる料理になっているわけですが…  今回は、牛肉の赤ワイン煮がお好きな方には不向きの家庭向きシチューの作り方です。

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    • 簡単で本格的なリゾットを作りましょう

         今やパスタ料理は、我が国の一般家庭にも一人暮らしにも欠かせぬ献立となっています。ところがリゾットとなると、急にハードルの高いイタリアンレストランのイメージが付きまとうのは何故でしょう。言うまでもなく日本人の主食は米です。輸入のパスタを食べるより、純国産の米を食べる方が色々な意味で良いことが多いはずです。もちろん国産でも優秀なパスタを作っている生産者もありますが・・・ とにかく今回は、リゾットの作り方です。  結論から申し上げますと、美味しく作るためのポイントは2点

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      • 玉茶庵流万能トマトソースの作り方

         拙店では、パスタのソース以外にも魚介、鶏、トリッパなど、トマト料理が人気でした。全てのベースとなるトマトソースを予め仕込んでおけば、どの料理も素早くできますし、水分が少ないので日保ちも良く、そのままディップにしても美味しく召し上がれます。  作る量は、当然使用量と保存期間によるので、ここで何人前とは言えませんが、とりあえず完成量1ℓ位の材料の目安は、

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        • やさしいワインのはなし 最終回(マリアージュ)

           マリアージュというのはフランス語で「結婚」の意味ですが、ワイン用語としては、食べ物との相性の良いことを「素晴らしいマリアージュ」というように使います。相性の悪い場合には、根本的にマリアージュという単語は用いません。嫌いな物同士が結婚することはありえないからでしょう。

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        玉茶庵風ビーフシチューの作り方

          やさしいワインのはなし その5(ワインと法律)

          「やさしいワインのはなし」にしては小難しい副題の今回ですが、主にラベル(ワイン用語では、エチケット)の読み方についてなので、知っておくとワインを選ぶ際の大きな参考になる話です。    ワインが最も古いアルコール飲料で、他の酒と決定的に違うのは、ワインの原料が葡萄だけであるということです。恐らくその起こりは、木から落ちた葡萄の実が石の窪み等で割れて、葡萄の外皮に付着している酵母菌と果汁が混ざって自然発酵した物だと思われ、その歴史は人類より古いと考えられています。酒について書かれ

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          やさしいワインのはなし その5(ワインと法律)

          やさしいワインのはなし その4(ワイン用語)

           ワイン用語のほとんどがフランス語ですので、日本人には覚えづらい言葉が多いと思います。ただ嫌でも目にする最少の基本用語だけ説明します。(覚える必要はありません) 「セパージュ」… そのワインに使われている葡萄品種のことです。一つの国で何百種とありますが、有名どころ10個も分かれば大したものです。特に重要なものは、

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          やさしいワインのはなし その3(テイスティング)

           フレンチレストランなどでたまにテイスティングさせられる時がありますが、一般の方は戸惑ってしまうことも多いでしょう。大概の場合問題になるのは、保存時に傷んでいないか、コルク臭(ブショネ)がワインに伝染していないかということで、ちゃんとしたソムリエであれば、先にコルクの臭いを嗅いでから提供しているはずなので、何もしないでOKを出してもまず構いません。ここでのテイスティングは傷んでいたり、コルク臭がワインに付いていた場合はタダで交換しますという意味ですので、そのワインの香りや味が

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          やさしいワインのはなし その3(テイスティング)

          やさしいワインのはなし その2(保存)

           ワインをご家庭で買った時、一般の方が最も知りたいのは保存法だと思います。よく赤は常温と言いますが、これは夏でも滅多に30度を超えないフランスなどのヨーロッパ諸国の話であって、日本は別だと思ってください(近年は温暖化の影響で、おそらくヨーロッパも暑いとは思います)。  南のイメージのあるローマであっても東京とは平均気温が全然違います。ただワインが30度以上の環境で即傷むかと言えば、そうでもありません。むしろ赤ワインの場合、冷蔵庫に入れる方が澱が出たり品質は変わりやすいのです。

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          やさしいワインのはなし その2(保存)

          玉茶庵流パスタ料理の基本

             パスタには500を超える種類がありますが、今回は主に日常最もよく使う乾燥のロングパスタを中心に説明します。生麵の場合、実際の太さより太目の乾麵に相当すると考えれば失敗は少ないと思います。  まず全体的に言えることは、黄色いつやのある麵より、白っぽいざらざらしたものがお勧めであるということです。これは麵の乾燥過程の差で、短時間に冷却乾燥させたものに比べ、ゆっくりと乾燥させた物は白くざらざらした仕上がりとなるからです。すべすべの物よりソースの絡みが良くなるのは言うまでもあ

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          やさしいワインのはなし その1

               「ワインって何だか小難しくて」そう言って飲まず嫌いになられている方や薀蓄が必要と思われている方に時々出会います。これはそんな方のためのワイン入門書だと思って、軽い気持ちでお読みください。  ソムリエというとよく昔からワイン好きだったように思われていますが、全くそうではありません。大した料理人でもない自分が店を開く時、何か武器になるものが欲しいと思って、2000年にワイン学校に通い、翌年試験に合格したのを契機に、2002年この玉茶庵を開店したのですが、ワインを日常的に

          やさしいワインのはなし その1

           日本酒についての2つの提言

           ソムリエと言えば、よく一番好きな酒類がワインのように思われますが、全くそんなことはありません。ワインエキスパートというワイン好きのための資格もありますが、ソムリエはあくまで職業資格であり、それは本来提供できる全ての飲料に関してお客様のご相談に乗る係のことで、ワインを含めた個人の嗜好とは基本的に関係ありません。まあワイン嫌いはいないかもしれませんが、下戸なら私の周囲にもいます。大分前置きが長くなってしまいましたが、要は私が日本酒党であるというのも、別に珍しいことではないという

           日本酒についての2つの提言

          ちょっとだけ美味しくするための覚え書き

          出汁について   和の出汁は昆布と鰹節で取るのが基本なのは言うまでもありませんが、家庭で毎回というのは手間もお金も掛かってしまいますので、市販製品を使うのはやむを得ないと思います。拙店も高級店ではありませんから、追加でだしパックは使いますし、味付けにめんつゆや白だしも使います。さすがに味の素やほんだしはありませんが、一般家庭がそれらを使うことを否定する気は毛頭ありません。とにかく何を使うにせよ、昆布、鰹(鮪)節、煮干し、干し椎茸等は少しでも常備しておくといいよということです。

          ちょっとだけ美味しくするための覚え書き

          「適菜適酒 玉茶庵」を振り返って

           金沢で生まれ育ち、慶応義塾大学在学中に松竹シナリオ研究所に入所し、就職はせずアルバイトと売れない脚本執筆生活を33歳まで続けた小生が、次に選んだのは料理の道でした。  元々子供の頃から包丁を持ち、18歳で独り暮らしを始めた際も糠漬けを漬けたり、友人にフルコース料理をふるまったり、同時に(日本にはまだなかったミシュランを真似て)3点満点の食べ歩きノートも付けたりもしていました。7年で和洋6件の店で(岸朝子さんが常連の店もありました)修業後ワインアドバイザー(後にソムリエ)を取

          「適菜適酒 玉茶庵」を振り返って