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分析とかBIが定着する組織の要素って?

Tableauなどの便利ツールがせっかくあるのに、活用してもらうことに苦労することはありませんか?
私は良くあります。
「こういうデータを出したいんだよね」
「レポート作成に時間かかるんだよね」
という話に「それTableauで解決できるかもしれません」というしょぼいCMのような回答をし、向こうも「Tableau覚えてみようかな」という社交辞令で終わるといった、伝統芸能のような一連の流れを定期的に行っています。
ある種の美しさすらあります。

ここであえて建設的な意見を出すべく、様々な企業で分析といわれる業務に従事し、それを組織に定着させる業務も行ってきたなかで、組織に分析技術や文化を定着させるのに重要な要素ってなんだっただろうかと改めて考えてみました。

最も重要となる要素「業務上の必要性」

振り返って分析ツールなどがよく使われていた企業の特徴としては、当然ながら業務上の必要性がちゃんとあったな、と思います。
確かに必要性がなければ、分析は不要ですし。
必要性というのは、
・報告の際に正確な数値と要因を細かく報告しないといけない。
・そもそも業務の進捗を報告する場がしっかりある。
・施策の予算をとるためには、納得感のある根拠が求められる。
というようなものです。

必要性を作る役割は誰が相応しいか?

じゃあその業務上の必要性って誰がどうやって作ったのかを考えたとき、
最もそれが出来る役は「現場の報告を聞く立場にいる上司」じゃないかと思います。
単純な消去法であり
「報告をする部下」の場合
今までやり方を変える必要性に自ら気づき、
工夫をして分析をする必要性があるのでハードルが高く、現実的ではないと思いますし、そもそもそういう人ばかりなら既に組織変革は起こっていると思います。
「組織のTOPに近い人」の場合
現場の業務からは遠いので業務フローを適切に作るのは難しいです。
この辺の人が現場の業務フローを決めると、あまりに現場のレベル感や状態とかけ離れていて、かえって意図が伝わりにくいかなと思います。

そう考えると残るのは現場に比較的近いマネージャー層辺りなのかなと思います。
彼らは自ら分析をする&部下にしてもらうことでKPIの改善や業務効率化などのメリットを直接得ることが出来るうえ、ある程度は業務フローを把握していると思うので無理な改革にはなりにくいのかなと思います。

上司がどうやって必要性を作るのか?

具体的にどうやって必要性を作るのか?ですが
それはシンプルに部下の報告に対して、より深い粒度での報告を求めたり、仮説を求めたりすることが最も業務上の必要性を高める行為だと思います。今まで様々な組織に関わってきましたが、
売上といったKPIを重視するあまり、達成している際の要因や仮説などに関してはあまり深く報告を求めないタイプの上司がいました。
「今月も売上達成しています」「よくやった!」では部下も細かい報告をする必要を感じないですし、達成している限りは分析が必要となりません。
あとBIや分析ツールの話をしていても興味なさそう、もしくは寝ているのもこのタイプでした。(本人が興味ないので、現場も重要視しません)

「施策に対してのROIがどの程度あったか?」「季節要因による影響があるのではないか?」など、分析が必要となる指摘をしっかりするタイプの上司であれば、部下は普段からそういった報告をする準備が必要になります。
こういったタイプの部下は仮説を立てるセンスや分析する技術力も磨かれていくのかなと思います。

まとめ

分析を組織に定着させるのに、最近はエヴァンジェリストやトランスレーター(アナリストとビジネスをつなぐ中間人材)が重要、みたいな話がありますが、そういう凄い人ってそんなに現れるかなと思っていて、改めてうまくいった組織を見ると、現場の上司がそういう要素を持っていたなと思い返しました。
当然、この層がちゃんとした分析観点を持ったフィードバックをするためには経営層がその重要性を理解し投資するのが大事というのは間違いないでとは思っています。

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