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イベンターのノルマをまず見直しましょう。会場費のバンド数割はボッタクリです

生意気を言うの41回目です。生放送のご視聴有り難うございました。限定公開からの変更ができず、最終的にYoutubeではなくFBとtwitterでの配信となりました。予告なく変更して申し訳ありません。集計したところ400人以上の方にご視聴いただいてまして、貴重なお時間を頂いてただただ感謝であります。
https://twitter.com/GYMaterials/status/1150328403330908162

19日まであとわずかですが当日お越しいただけましたら幸いです。

と言ったところで本題に入りたいと思います。動画でもお話させていただきましたがバンドの世界のノルマはかなり中途半端な金額でして、結果として最悪の成果をもたらしています。

1バンド辺りのノルマが3万ぐらいですから、5人編成でしたら一人頭6000円。月一回の贅沢な趣味としてこの位は出しますし、これは集客しなくても構わない免罪符としても扱われる元凶ともなります。

有名な行動経済学の実験のお話がありますが、イスラエルの保育所でお迎えの遅刻を減らす試みの為に、遅刻の度に3ドル罰金を科す社会実験が行われました。この結果、遅刻は減るどころか逆に増え、罰金が免罪符として機能しただけでなく遅刻が習慣として根付いてしまったため罰金を廃止しても遅刻は減りませんでした。

集客人数という物はバンドの価値を計る基本となるものです。一回限りではなく次回も見に来てもらう内容をしなければ集客の現状維持すらままなりません。集客が無いと言う事は良い舞台をやっていないからに他なりません。特にお金を取る舞台であればあるほど、お金と向き合わなければ次回の集客には繋がりませんし内容も良くなりません。よって、集客、お金と向き合うと言う事は舞台を良くしていくことと同義となります。

逆に言えば集客が伸びると言う事は良い舞台をやれている証明です。自分自身、良い舞台がやれているかどうかを検証するためには集客を見るのが一番です。ですから、集客をしなくともよい免罪符としてノルマを支払う、出演料としてしまう習慣は、検証のための唯一の方法を自ら放棄するに等しい行為です。検証を放棄して良くなる道理はありません。

一番の問題点は、決してバンドさんが意図して免罪符扱いしているわけではなく、この金額が無意識で受け入れやすい金額である、という点です。無意識に働きかける効果がある以上本人の意図がどうであれそちらに引かれる引力として作用してしまいます。これを打破するには集客そのものにより喜びを見いだせる方向に舵を切る必要がありますし、その為にノルマゼロを提示させてもらっています。

改善のヒントとしてはこれも行動経済学なのですが、寄付金を一番集めるのはどういったグループかという社会実験がありまして。1つは意義を説明したもの、2つ目は意義+少額のバック、3つ目は高額のバック。結果として一番寄付金を集めたのは第一グループの報酬無しのグループで二番目は高額のバックです。

翻ってバンドの世界のノルマ制を見直してみますと、まず半端な金額であるため免罪符として機能していますし、バックもノルマ達成後のハードルを越えた割には少額ですから二つの側面で悪くなる要素が含まれています。よってここにテコ入れをしていく必要がありますが、イベンターという立場は一番テコ入れしやすい立場です。

そもそもイベンターはお金取りすぎなんです。だいたい会場のレンタル費用をバンド数で割るのが通例です。自分もかつてイベントライブを組んだ際にはそれが通例でしたのでそのようにしていましたが、現在の認識としては、あえて言いますがボッタクリです。

ライブハウス側がノルマを課す、もしくは3万前後の参加費を請求するのは解るんです。音響設備や防音、契約時にかかるお金などでの初期費用もありますし、家賃、光熱費、近所からのクレームや機材メンテなどのランニングコストもあります。さらに当日の音響、照明、受付、バーカン、精算担当と人員も必要ですからそもそも抱えているリスクが大きいですし、業務内容も多岐にわたります。

一方イベンターですが、業務内容としては日程調整と当日の責任者。あとはフライヤーを作って配布する程度ですから仕事の内容としてはライブハウスとは雲泥の差があるわけです。ところが要求する額面はよく似た金額になる訳で、それはフェアじゃないですよねと。リスクは圧倒的に低いんですから。

会場費をバンド数で割るのが通例であるのは理解しています。が、興行としては明らかにおかしいですよね。本来会場費は興行主が抱えるべきリスクです。バンドさん側が頭を下げて出演させてくださいと言ってきたのならノルマは理解しますが、イベンター側から出て下さい、お金下さいはサービス業としてあり得ないです。

会場をどこにして、どの程度費用が掛かるかは主催側の都合であってバンド側に押し付ける話ではないんですが、どうもそういう興行の打ち方が定着してしまっているのは好ましくないと思います。恐らくは同好の志で趣味レベルのライブをやるにあたり、みんなでワリカンという共同主催の方式がスライドして興行の打ち方、慣習として定着した物かと思います。

この手法が定着してしまっているのも、もう何十年もの間この手法が常識であったためで、バンドさん側もそれが当たり前だと思い込んでいます。実際自分もそう思っていました。ですが、バンド側から頭を下げている訳ではないのであればノルマを課すのはおかしいです。

以前、地下アイドルの子たちがギャラの出ないイベント、ノルマのあるイベントは出ませんと突っぱねるというような話を聞きましたが、これは演者として本来そうあるべきなんです。出演は商品ですから。「私にはこれだけの商品価値(動員)が有るので、利用したければ幾らください」は演者として真っ当な姿です。

イベンター側から出演をオファーするのなら、ギャラ、もしくは歩合で相手にもきちんと売り上げが出る方式をとらなければアンフェアです。自分自身の金銭リスクを100%押し付けている時点でビジネスパートナーと見ていないのではないかと感じます。あえて言いますがこれはただの搾取。

きちんととるべきリスクは取るべきです。リスクリターンは等価で、本来会場の金銭リスクを取って興行の金銭リターンを得るのが興行主のお仕事です。その「本来とるべき金銭リスクをゼロにする」と言うリターンを得ていると言う事はどこか別の場所でリスクが発生していて、そのリスクが現在の衰退に一役買っているんじゃないですか、というのが自分の見解です。

今までこの方法が通用したのは、中間としてリスクを負いますよ、一緒にやりましょうっていう人がいなかったか、居たとしても強く発信してこなかったからかと思います。が、ここでこう言う事言っちゃったので、今後はもう通用しないです。バンドさん側も、イベンターさんにこういう意見有るけどとtogetterなりnoteなりtwitterのスレッド、ツイートなりを突き付けて下さい。

突き付けていった結果、リスクを負わないイベンターさんは減ると思いますがそれで問題ありません。潰しましょう。そもそもバンド数とライブの本数につり合いが取れてませんし、ライブハウスやイベンターは減るべきです。というか、バンド側の財布が支える現状は減らざるを得ない。なんでもかんでもバンドの財布頼りに運営している所は潰しましょう。

お互いがビジネスパートナーとして、背負うべきリスクをきちんと直視して背負いましょう。

ライブハウスは飲食!
イベンターは会場費及びギャランティ!
バンド側は、お客さんにちゃんと応える内容!
そして3者一丸となっての集客努力!

70%バックは、ライブハウスに文句を言うためでもありますし、バンドさんのモチベーションを上げるためでもありますし、搾取する興行主を潰すためでもあります。

リスク取らずしてリターンはないですし、世の中の変化についていくにはリターンが必要です。必然的にリスクを負わなければ世の中からは置いて行かれます。

そして現状テコ入れをしやすいのは、ランニングコストや場所のリスクを背負わないイベンターというポジションで、おそらく30%バックであればバンドさんも納得するし集客には貢献するし、イベンターとしても必死にやりますしでバランスは良いものになると思います。

今後イベントを打たれる方や現在もイベンターとして活動されている方には是非挑戦、改善してもらいたいと思います。同時にバンドさん側は企画打ってるバンドさんやイベンターさんにこの意見を突き付けてください。

という事で7/19にノルマゼロ、70%バックのイベントをやります。twitterのフォロー、noteのご支援等頂けましたら幸いです!


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