『愛の不時着』を語る
ひと足遅れですが語らせてください。
昨年の流行語大賞にもノミネートされた『愛の不時着』。Netflixで独占配信されている2019年の韓国ドラマです。これが、もう、ほんとうに、面白いんです…。
「韓国の財閥令嬢が事故で北朝鮮に不時着し、北朝鮮の軍人と恋に落ちる」なんて、あり得ないしベタすぎだと初めは鼻白んでいました。しかし、つい出来心で1話を再生したところ、…沼にはまりました。
面白い。続きが気になる。まだ10話も残ってる、幸せ!日本のドラマに比べ、韓国ドラマは1話の時間もエピソードの数も多いんです。それがどんなに嬉しかったことか。
以下、好きなポイントを語りたいと思います。
1. 主人公ユン・セリの魅力
─感情豊かで自立したキャリアウーマン
主人公の女性はユン・セリ。韓国の財閥令嬢でありながら、起業し優れた経営手腕をもつ実業家です。
彼女の魅力は、気が強く感情表現が豊かなところ。ヒーローに守ってもらう受け身なヒロインではなく、持ち前のしたたかさで自ら行動を起こします。
不時着した北朝鮮で捕らえられそうになっても、即座に相手の弱点を掴み自分を守るよう交渉したり。北朝鮮のメンバーが韓国に来た際には、その財力で彼らを保護したり。可愛いだけじゃなくかっこいい女性なんですよね。
2. 恋人リ・ジョンヒョクの魅力
─絶対に守ってくれる寡黙なヒーロー
セリのお相手は北朝鮮の軍人、リ・ジョンヒョク。第五中隊を率いる中隊長です。
寡黙で感情をあまり表に出しませんが、正義感が強く細やかな気遣いができる優しい人です。上司には煙たがられますが、部下には慕われています。そして、めちゃめちゃ強い!暴漢をバタバタ倒すし、銃も百発百中。セリをどんな状況でも守り抜きます。
そんな彼ですが意外にもやきもち焼き。セリの恋愛遍歴の話題になると膨れっ面です。そこも可愛く思えるんですよね。
視聴中はキュンキュンしっぱなしでした。ルックスも人柄も、とにかくかっこいいんです…。
3. 人情味あふれる脇役たち
主人公2人のみならず、周囲の人々も魅力的です。
まず、ジョンヒョクの部下、第五中隊のメンバー。セリと言い争いが耐えないけれど実は情に篤いピョ・チス。寡黙でハンサムなグァンボム。韓国ドラマが大好きで北・南の通訳的存在、ジュモク。入隊したばかりの初々しい弟分、ウンドン。シリアスな場面も多いこのドラマで、彼らはわいわい仲良くコメディ要素を演出してくれます。
後半から仲間となる盗聴者=耳野郎のマンボクもいい人でした。過去に辛い思いばかりしてきた彼ですが、ジョンヒョクの一味となり徐々に自分を取り戻します。「耳野郎」にかけたネタが随所に散りばめられていて、何度も笑ってしまいました。
それから、セリが北朝鮮で滞在する宅舎の村の女性たち。初めはセリを敵対視しますが、仲良くなるとうるさいくらいに世話を焼きます。噂話が大好きな彼女たちはいつも賑やか。登場シーンは笑いあり涙ありでした。
そして、ジョンヒョクの婚約者、ダンと周囲の人々。クールで気位の高いダンはセリと対照的なお嬢様ですが、不思議と憎めません。徐々に彼女にとって不憫な展開になってしまい、幸せになってくれ〜〜と願っていました。ダンの母、デパートの女社長も素敵な人です。結婚結婚とうるさくコメディ要素も多い人ですが、娘への深い愛情が伝わってきて何度もうるうるしてしまいました。
4. 美味しそうなたべもの
外せないのが、画面を彩る食べ物たち。どのエピソードでも食事シーンがあり、それがとても美味しそうなんです。ゆで卵でさえ、セリが食べていると美味しそうに見えました(盛大に噴き出しますが…)。
印象深かったのは4話に登場した貝のガソリン焼き。名前の通り、貝をガソリンで炙って食べます。北朝鮮では実際にある食べ物なんだそう。セリと第五中隊のメンバーがキャンプファイヤーよろしく貝を囲み、焼酎を酌み交わします。中隊員たちとの仲が深まり、ジョンヒョクを(ジョンヒョクはセリを)意識していることがはっきりわかるシーンです。わいわい賑やかな雰囲気が大好きでした。
他にもいろんな料理が登場します。冷麺、鶏肉の炒め物、キムチ、おこげ、ラーメン、ビールと鱈の干物、コンビニのインスタント食品、焼き肉、チキン、韓国ドラマお馴染みの緑の焼酎…。特にサクサクのチキンは垂涎ものでした。このドラマを見るとお腹が空くんですよね。
5. BGM
ドラマの雰囲気にどっぷり浸からせてくれる、素敵な音楽ばかりです。
面白かったのは、いい雰囲気になるとそれらしき音楽が流れること。セリとジョンヒョクが2人でいるシーンで女声(たまに男声)の切ない歌声が流れると、あ、これはそういうシーンなのね…!と察しがつきます。ちょっと笑っちゃいそうになるのですが、それすらも魅力の1つです。
昨年末に初めて1話を見てから、既に4周してしまいました。このドラマのせいでNetflixの解約に踏み切れないと言っても過言ではありません。笑
最近は『ヴィンチェンツォ』を観始めました。マフィアの弁護士の復讐譚、こちらもハマりそうな予感です。
これを観終わるまでは死ねない、と思うから、観たいドラマがあるって幸せなことですね。
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