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ブロディー・レタリック、チーフス復帰での復活。

ブロディ・レタリックがチーフスでデビューした頃、チーフスに在籍する他の選手たちはまだ小学校を卒業していませんでした。

90試合の出場を誇るベテランが、30歳という年齢を感じさせないのは、フットボールという若者の競技が持つ厳しい現実を表しています。しかし、それが日本からフランチャイズにカムバックした世界的な2列目の選手のモチベーションを高めているのも事実です。

2週間前、クイーンズタウンで行われたスーパーラグビーのパシフィックラウンド開幕戦、ハイランダーズ戦で復帰したとき、レタリックがチーフスのジャージを着ていたのは、コベルコ神戸スティーラーズに2シーズン在籍した後、約973日ぶりのことでした。

そして、昨年、テストマッチで衝撃的な復活を遂げたレタリックは、己の黄昏の時期ににチーフスを栄光へと導くべく、ベストに近い状態へと戻ってきました。

「日本での生活は最高でしたし、本当に楽しかったです」

「トップリーグからテストラグビーに戻り、そのまま遠征に出るというのは、とても大変なことでした。かなりハードでしたね。でも、テストラグビーからスーパーラグビーに戻るのは、そんなに大きな橋ではないと思います」

実際、レタリックは、年末にアイルランドとフランスに連敗したオールブラックスのパックの一員でした。 そして、ゲームのフィジカルな側面でしばしば成功を収めてきたレタリックにとって、それはとても重要なことでした。日本での試合ではランニングを増やし、ウェイトを減らすことで4kgほど落とした体重は、今通常の120kgまで戻っています。彼は、高い水準に戻るために自分自身を駆り立てているのです。そしてチーフスで仕事をすれば、自然とそうなるはずだと彼は話します。

「あのツアーの終盤では、さまざまなことが大量に起こっていました」

「もちろん、誰も負けたくはないです。北半球のチームは少し違ったプレーをします。でも、ここでうまくいって、気持ちが盛り上がってくれば、それがフィールドに現れると思います」

「オールブラックスとしての課題はありますが、正直なところ、今はその心配はなく、チーフスのためにいいプレーをすることだけを考えています。最初のタイトルを獲得してから10年が経ちますが、私がここにいる間にもう1つタイトルを獲得したいですね」

そう、クライストチャーチ・ボーイズ・ハイスクールとホークス・ベイ出身の彼がチーフスに誘われ、デイブ・レニーHC1年目の2012年シーズンにデビューしたのは、今から10年前のことなのです。

それ以来、レタリックはあらゆるものを見てきました。しかし、ニュージーランドでの最後のシーズンとなりそうな今、彼はクレイトン・マクミランの下、そしてラグビーディレクターのウォーレン・ガトランドによって初めての経験をし、新鮮な気持ちで物事を楽しんでいるようです。

「豊富な知識を持っていて、いろいろな意見を聞くことができるのは素晴らしいことです。新しいアイディアもあり、とても刺激的で、みんな楽しんでいます」

オールブラックスのトゥポウ・ヴァアイとジョシュ・ロードはそれぞれ22歳と21歳、さらにナイトア・クオイ(22歳)とラグラン・マクワネル(23歳)もおり、レタリックにとっては、自分が選手兼ベビーシッターなのではないかと思うほど、若さあふれるロックがいることもポジティブな要因です。

しかし、老犬が若い子たちに何かを示すのにそれほど時間はかかりませんでした。土曜日にイーデンパークで行われる第3戦ブルーズ戦に向けて、ハイランダーズ戦ではラインアウトにいくつかの問題がありましたが、レタリックは、後半にエモニ・ナラワにトライをもたらした見事なオフロードですぐに注目を集めました。

「ドロー&パスをすればよかったと言う人もいますが、ドロー&パスは頭になかったし、ただキャリーしてラックを見ていたら、なぜか後ろから出てきたんです」とレタリックは笑いながら話してくれました。

「正直なところ、もう1回できるとは思っていませんし、たまたまできたことなので、よしとします」

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