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読書 巨人たちの星 (旧版)


紹介文

冥王星の彼方から、〈巨人たちの星〉にいるガニメアンの通信が再び届きはじめた。地球を知っているガニメアンとは接触していないにもかかわらず、相手は地球人の言語のみならず、データ伝送コードを知りつくしている。ということは、この地球という惑星そのものが、どこかから監視されているに違いない……それも、もうかなり以前から……『星を継ぐもの』に続くシリーズ第3弾! 訳者あとがき=池央耿/解説=山之口洋

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感想

「星を継ぐもの」の続編、3部作の3作目となる。当初の3部作の一応完結した感じのお話になっている。

引き続き、ハントと生物学者のダンチェッカーの二人を軸に謎解きと今回は闘いが描かれていく。

前作までを読んでいないと、全くわからない部分は多いと思う。逆に、前作までを読んでいるとかなり読みやすい。読み進めるにつれて話は分かり安くなっていっている感じがした。

前作最後に突然あらわれた巨人たちの星と前作で呼ばれている存在の「ガニメアン」とが、地球の言葉でメッセージを遥か彼方から送ってきた続きが描かれる。ここから、異星人との新たなコンタクトがメインの話になる。。

かと思っていると、話はどんどん意外な方向へ進んでいく。陰謀やアクションなども結構な量で描かれるので、いままでの2作とはかなり違った形の物語になっていると思う。

あとがきにも描かれているが、技術革新がおきて科学が進歩するに伴いおこる、政治・経済・外交・文化。。そして、迷信や非科学的なデマを広める人々の存在など。こうしたテーマが中心となって物語が進められていくので、現在のパンデミック(pandemic)やインフォデミック(infodemic)を経験したばかりの自分にとって、引き当てて感じるものは多かった。

しかし、この物語のような「原因」で、科学が進歩しないのであったら、どんなに、救いがあるだろうにと、あるいみ、楽観的なこの小説が書かれた時代を懐かしんでしまった。この部分は、ネタバレになるので、読んでみてほしい。。

ここまで、謎に思われていたことに関しては、ほぼ、解明されて終わる。ただし、いつものごとく、若干の謎をのこして次回作への広がりは持たせている。

4部は上下2巻で、このシリーズの最終巻は5部だということで、ここで読むのをやめようかと思っていたけど、第5部にして最終巻『ミネルヴァ計画(仮題)』(原題『Mission to Minerva』)がこの冬に刊行されることが決まったみたい。

5部がでたら、4部と合わせてまた、読み進めようと思っている。


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