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【適応障害日記】雪の日のビラ配り

地域活動に精力的に参加してきました。

不妊治療の現実逃避で建てた郊外一戸建て。
もともと自治会活動が盛んな地域を選んだので、積極的に参加してきた。

自治会内に組織を立ち上げ、地域の発展につながる新しいイベントや施策を企画。
コロナでなかなか進まないこともあったけど、地域のいろいろな人と知り合えて、たくさんの刺激を得られた。

ところが、メンタルを崩してから、地域活動に参加するのが非常におっくうになった。
組織の代表を務めているので、投げ出すわけにはいかず、
肩で息をしながらなんとか続けている感じ。

コミュニケーションもなかなか取れず、凡ミスも増えてきていた頃。
年始に新しいイベントをやる企画が間近に迫っていた。
毎年行われる自治会のどんど焼きに、キッチンカーを呼んで、地域の人の刺激になればと考えた企画。
チラシを参画企業のご厚意で用意していただき、地域の全世帯に配ることになっていた。

全世帯で1600世帯もあるこの地域。
自治会内の広報物配布の仕組みを利用して労力少なく配る予定だった。
ところが、チラシの納入が、配布日に間に合わないことが判明した。
それも、チラシ納入日の前日にだ。

関係者には、広報の責任者や、自治会長も含まれていて、みんなで日程を合意して準備したはずなのに、、
議事録もみんなに回して、確認してもらったはずなのに、、

いろんな思いがよぎったけど、そんなことより、1600枚のチラシをまく必要がある。
どんど焼きはもう目の前なのだ。

とりあえず、動ける人でチラシをまくことに。
幸い何人かが手を挙げてくれて、僕の担当は400枚だった。

誤植、謝罪、そして、雪・・・

2022年1月6日。早朝。
仕事前にやってしまおうと、家を出た。

この地域はマンションなどはなく、すべて戸建て。しかも庭も十分に確保できるような広い土地をそれぞれが持っている。
ということは、チラシを入れるためのポストとポストも離れているわけで。。
1軒1軒配っていくが、想像以上に時間がかかるな、とわかった。

その時。
手元のチラシの片隅に、誤植を見つけてしまった。
イベントの協力団体の欄に、載せてはいけない団体名が載っていた。

直前にいろいろとコミュニケーションミスがあって、
今回の企画は自治会だけでやろうと決め、
もともと協力をお願いしていた団体の名前を抜いたチラシにしたはずなのに、
チラシを作ってくれた業者との連係ミスで、それが残ってしまっていた。

どうしよう。
ただでさえ、少し揉めて協力団体を失ったような状況なのに
それをチラシに載せてしまうなんて・・・
どれだけ怒られるのだろう。。。

いっそ気づかなかったことにしてすべてまいてしまおうか。
いや、もし問い合わせが行ってしまったら、関係は最悪になるのではないか・・・頭の中がぐるぐるしてきた。

あれ、この路地、さっきも通らなかったっけ??
この街は似たような街区ばかり。
どこまで配ったか、メモを取っていたはずなんだけど

鬱々と考えながらまいていたら、
どこまでやったのか忘れてしまった。

その時。
白い雪が降ってきた。

数年ぶりの大雪予報。
それが、現実のものとなった。

凍えるように寒い。
チラシを持つ手がかじかんで震える。

もうどうしたらいいかわからない。
どうしてこんなことになったんだろう。。

しばらく考えて、とにかく自治会長に電話をした。
誤植のことを伝え、どうしたらよいか判断を仰いだ。

もう配ってしまったチラシ。
回収はできない。
このまま配り続けるとして、謝罪は必要だろう。
と言われた。

僕が悪いのか。
僕が悪いのだ。
いや、みんなでチラシの最終稿確認したよね?
いや、誰も実は見ていなかったのだ。
僕が悪いのだ。

謝罪に一緒に行ってくれ、とも言えなかった。

雪はどんどん降ってくる。

一番揉めそうな団体の会長のところにまずは言った。

経緯を伝えて謝罪した。
70代の大先輩。
どんなことを言われるだろうとおびえていたら、

お前、顔色悪いぞ。大丈夫か?
チラシのことは全然気にしなくていい。
むしろ、何も手伝わないのに、名前は載せてもらえるなんてラッキーなくらいだよ。

そう言って、笑ってくれた。
もう、泣きそうだった。
なんて優しいのだろう。

そのあとも各団体に謝罪に行ったが、みんな快く許してくれた。

チラシ配りは夜までかかったのだけど、
近所のパパ友が手伝ってくれて、
その日のうちにまき終わった。

みんな心配してくれて、
みんな助けてくれた。

そうなのだ。
本当は誰も悪くないし、たまたま、そういうことになっただけ。
みんな手を差し伸べてくれるし、
優しい地域に僕は住んでいるのだ。

今振り返ると、そう思える。
でも、その時の僕は、とにかく何とかなったという安堵感を噛みしめることで精いっぱいだった。

今日の振り返り

たくさんミスして迷惑をかけてしまった自分OK!
それでもきちんと謝罪してやるべきことはやり遂げられた自分すごい!!



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