医療は点で関わる。介護・福祉は線、面で関わる。

医療と介護・福祉の関わり方の違いは何でしょうか?
人が医療に関わるとき、それはおそらく病気になったとか怪我をしたときです。
つまり、医療は普段の生活の延長線上にはなく、身体が不調になったときに突然現れる「点」です。医療機関は患者を診るとき、生活習慣のようなものを聞くかもしれませんが、その不調が治ってしまえば、基本的には関係は途切れます。関わりは「点」だといえます。

一方、介護・福祉はどうでしょうか。
お年寄りが介護・福祉サービスを利用し始めると、職員はその人の過去を聞きます。どんな生活をしてきたのか、どんな仕事をしてきたのか、どんな人生を送ってきたのか。
それは過去という時間軸であり、「線」での関わりとなります。
また、未来のことも聞きます。
どんな生活をしていきたいのか、なにかしたいことがあるか、身体がいよいよ弱ってきたらどうしたいか。そんなことを職員は共有しつつ、未来へと一緒に歩んでいきます。これも未来に向かっての時間軸です。
これら時間軸が「線」だとしたら、その人の人間関係は「面」だといえます。
家族や知人、趣味仲間、地域の人、その人に関わる人達がまさしく多面的に存在します。
このように「線」と「面」で関わるのが介護・福祉職です。

責任が重いと感じるかもしれません。でもその分、やりがいや面白さがあるはずです。その人の人生の過去と未来を丸ごと一緒に味わうことができるのですから。

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