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今回はアルギニンとシトルリンについて書きたいと思います。この二つのアミノ酸は、「スーパーアミノ酸」と言われています。この「スーパーアミノ酸」と呼ばれているものには5成分あり、バリン、ロイシン、イソロイシン、そして今回ご紹介するアルギニンとシトルリンです。

アルギニンとシトルリンは血管や成長ホルモンに影響を与え、老若男女の健康維持に大変効果があるといわれています。アルギニンとシトルリンとは何なのか、そして体内でどのような働きをするのかご紹介していきたいと思います。



アルギニンについて


BCAAやEAA、グルタミンに次いで、筋肉にとって重要なアミノ酸が「アルギニン」です。 アルギニンは非必須アミノ酸なのですが、子供のうちは体内で合成できないため、子供にとっては必須アミノ酸ということになります。 WHO(世界保健機関)によれば、一般の成人男性のアルギニン必要量は、一日に3,000mg〜6,000mgとのこと。しかし日本人の食生活では,この6割くらいしか満たすことができていません。アルギニンを多く含む食物はナッツ類やマメ類、凍り豆腐、シラス干しなどですが、これらはアルギニン以外の余計なもの(脂肪、塩分など)も含んでしまいますし、普段の食事で食べるようなものばかりでもありません。できればアルギニンはサプリメントで補うようにするのが賢いと言えそうです。 アルギニンには多くの作用があります。

アルギニンの働き

1.血管を広げ、血液循環を良くさせる

アルギニンの働き アルギニンは身体の中で「一酸化窒素(NO)」というものを出します。この一酸化窒素により、次のような効果があらわれてくれます。 血管を広げ、血液循環を良くする。アルギニンによって発生するNOには血管を拡張する作用があり、血液の流れを良くする作用があります。このため、動脈硬化を防いだり、ED改善に役に立ちます。
アルギニンやシトルリンは、*オルニチン回路の1つとして、アンモニアの解毒に関わっています。アンモニアの解毒の際に、アルギニンから一酸化窒素が発生します。一酸化窒素は血管を拡げる作用があり、その結果、血流が改善されます。
また、血流が良くなるということは、動脈硬化の進行の抑制や脳の血流促進によって集中力や記憶力にもいい影響を及ぼすのではないかと期待されています。
さらにNO(一酸化窒素)産出を通して免疫細胞がウィルスや病原菌などの外敵を攻撃する力を強めてくれる働きをしています。

*オルニチン回路;アミノ酸の分解によって作り出されるアンモニアを、毒性の低い尿素にするために機能する代謝サイクルのこと。

2.骨を強くする

特に閉経期の女性は女性ホルモンの分泌が低下して骨が弱くなるのですが、女性ホルモンはNOの作用を介して骨を強くするとされています。またアルギニンは後述のとおり、成長ホルモンを分泌させる作用もあるため、この方向からも骨を強化するように働きます。

3.免疫力を上げる

NOには免疫細胞(NK細胞、LAK細胞、マクロファージなど)の活性を高め、免疫細胞が細菌やガンなどをやっつける作用を助けます。

4.筋肉細胞を増やす

筋肉細胞の周りには衛星細胞(サテライト細胞)と呼ばれる細胞があり、これは将来的に筋肉細胞に変わっていきます。NOは衛星細胞を活性化する作用があり、新しい筋肉を増やすために大きな役割を果たします。 他にもNOの作用により、胃腸の調子を良くしたり、肝臓を保護したり、学習力や記憶力を高める効果が期待できます。 
まだまだ他にも効果はたくさんありますが、ひとまずメインどころを押さえておくとしたら、こんなところになります。


シトルリンが多く含まれるといわれているスイカ


シトルリンについて

シトルリンは1930年に日本でスイカから発見されたアミノ酸です。スイカの他、メロン、きゅうり、冬瓜、かぼちゃなどウリ科の植物に多く含まれています。しかし一般に普及し始めたのは最近で、日本では2007年に食品成分として認可が下りたばかりです。でも、その効果効能が注目されています。シトルリンの1日の摂取目安量は800mg程度とされています。

シトルリンの働きとアルギニンとの違い

シトルリンの働きについては、ほとんどアルギニンと変わりません。同じ効果だと思ってください。
一方、シトルリンとアルギニンの違いは、口から摂取した場合には体内での代謝経路が異なります。
アルギニンを口から摂取した場合、腸管にて約40%が代謝され、残りは肝臓に運ばれます。
それに対してシトルリンを口から摂取した場合、腸管から吸収されて肝臓には運ばれず、大部分は腎臓に運ばれます。
腎臓に運ばれたシトルリンはそこでアルギニンに変換されて、全身に供給されます。
またアルギニンとシトルリンの違いにはもう1つ、吸収率が挙げられます。アルギニンは吸収率が悪く、摂取しても6割以上が失われてしまいます。でも、シトルリンはほとんど損失がありません。

以上の点で考えるとシトルリンを単体で摂取した方が無駄のないように見えます。

しかし、シトルリンはアルギニンとお互いに反応し合って体内の一酸化窒素濃度を高めます。
体内にシトルリンが増加することにより、アルギニンも増加し、結果お互いに相乗効果を生み出し、血管が拡張し、運動パフォーマンスを向上することができます。

実際に、アルギニンやシトルリンをそれぞれ単体で摂った場合、血中のアルギニン濃度のピークは約2時間後です。そして、ピーク時でもアルギニン濃度は通常時の3.5倍までしか上昇しません。
しかし、アルギニンとシトルリンを一緒に摂取すると、たった30分で4.5倍まで達します。
つまり、単体でとる場合とアルギニンとシトルリンを一緒に摂取する場合を比較すると、アルギニンとシトルリンを一緒に摂取するほうが、ピークに到達するスピードは4倍速くなり、30分後の血中のアルギニン濃度は2倍になるのです。


まとめ

今回はスーパーアミノ酸である「アルギニン」と「シトルリン」について書きました。
どちらも似たような効果があるのですが、一緒に撮るとより吸収率や、血中濃度が上がります。トレーニングの30分前にこの二つを摂取して、トレーニングでガンガンに筋肉を張らせましょう💪
トレーニングをあまりされない方は、スイカやカボチャ、納豆などを食べるようにすると食事から摂取できますので意識してみてください。

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以上、パーソナルトレーナーの山城でした。

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