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いのちのものすごい奇跡

身内が心臓の手術をすることになった。昔から、いつかはやらないといけないやつだったのだが。そろそろ頃合いだ、と言うので家族で主治医の説明を受けに行くことになった。

娘と、母と、3人で待ち合わせ。
娘、行く前にラーメン食べに行こうぜ、と言うのでずっと食べたかったお店でランチをした。
節系の味噌ラーメン。
まじで美味しかった。
美味すぎて鼻息を荒くしてたべた。

母もわたしも、瓶ビールを頼んでしまいそうな勢いだった。いやいや、これから主治医に会うからね。と止められた。笑

心臓の手術、ってまぁまぁ大変なんだろうけど家族一同誰も心配してなくて深刻でもなくて笑ってしまった。

わたしは、うちの家族の
深刻さ皆無な感じが好きだ。
父が深刻なガンで入院していたときも
母がわがままな父に毎日ブチギレていて付き添い拒否しててウケたんだけど

そういう、対大変な人にすら媚びないスタイルがほんとうにすきだ。

今回のわたしが話したいのはそこではない。主治医の説明についてだ。

歳の頃わたしの数歳下ぐらいであろう主治医?執刀医?がめちゃめちゃ丁寧に説明してくれた。
心配はしていないけれど、好奇心の塊みたいなわたしたち一族はおそらくかなりしつこくいろいろな事を聞いたと思う。

心臓の動いているエコーの動画や
理科室にありそうな心臓の模型などを使ってどんな手術をするのか、どんなリスクがあるのか、丁寧に説明してくれていた。

ここだ。わたしの感動ポイント。

人間の心臓のしくみ、やべえ。
僧帽弁を開け閉めする仕組み、
心臓に血液が送られて、きれいにしてまた全身に戻す仕組み。
そしてそれを行う心臓の構造。

まじ、誰作ったんよ。こんなの。
これが自然発生してんだよ。あちこちで
五十億人もそんなものすごい構造のを間違わずに作っているのは誰なんだ。

そんなとてつもない構造に
人間は手を加えて治療してしまうんだ。
しかも心臓を一旦止めて。
そんなことを日常的にやってんのか、この目の腫れぼったい主治医。すげぇな。
人間もすげぇな!
あたしも数年前に子宮を摘出したけど
一個臓器が無くても健康に生きている人間、またそれもすげぇ!あらためて!

我に帰ってふと傍を見ると不安すぎて泣いていたんだ。身内。
でも、それ、割と主治医に失礼ではないか?とも思った。
わたしは主治医にもかなり感動していたから。

わたしの心の中ではそんな感動がずっも駆け巡っていたのでした。

割とわたし、医療に関してはあまり信頼度はなかった。なぜかはわからないけど。母親が小さい時から
『あそこの医者はヤブだ。』だの
「所詮医者も金儲け。」だの
もう白い巨塔とかの類の昭和の医療ドラマから得た知識で話していたんだろうな。と思うのだけれど

そんな、田舎のおばちゃんが理解できるほどのものではないって思った。

人体の神秘も、医学も。

そのぐらい心が動いた 1日だった。
動いている場合ではない気はするけど。

手術は近々行われるんだけど
わたしと母が付き添うことになっている。もう、母はネトフリで観たいやつダウンロードしまくるわってはしゃいでいる。

わたしははたらく細胞でもみるか。
人体についての好奇心が爆発している。

みんな、自分の身体、割と奇跡だよ。
想像しているより、割と奇跡だよ。
生きてるだけですごいよ。
大優勝だよ。もれなく。

そんな 1日だった。

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