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イマジナリーフレンドの話

イマジナリーフレンドに憧れていた。
小さい時に見ていた、お姉さんの肩の上とかにいる小さなお人形。

とにかく本音が言えない系女子だった数年前、本気で欲しいと思っていた。

ある日娘と雑貨屋さんに行った時に
わたしの目に止まったぬいぐるみ。
みずいろのぺんぎん。のような生き物。
かわいすぎたので、車のダッシュボードの上に置いて、通勤前に会話しよう、と思った。

しかしながら、一年ぐらい一度も会話することはなかった。なぜならこの期間に本音で生きると決めてしまったのだ。そしてそれは案外簡単にできてしまった。故にこそこそ話す必要がなくなってしまったからである。

鮮やかなみずいろだった彼もお日様に焼かれてくすんでしまっていた。
そして、当たり前にいつもダッシュボードの上にいるので存在すら忘れてしまう、という有様だった。

そして、宇宙人の彼氏(今後グレイくん、と呼ぼう)が登場するのである。笑

初デートの時に、そのみずいろのペンギンを大層気に入った彼はそのペンギンを車から持ち出した。

そして、イマジナリーフレンドのように扱い出したのであるw

普通にぬいぐるみに話しかけているし、どこに行くにもバッグに忍ばせる。
やべーやつ、と思われるかもしれないが、ほんとにやべーやつだと思う。
それぐらい、気に入っている。
かれこれ4年近くの付き合いになるが、彼のペンギンへの愛は変わらない。

そもそも、あのぬいぐるみもイマジナリーフレンドになりたかったのかもしれない。そして同じ気持ちだった私のアンテナに引っかかった。結局、わたしの気が変わってしまったが、それも想定内だったのかもしれない。彼はその先を見ていたのだ。

わたしが変人と付き合う、ということすら見えていたのだ。

今ではそのぬいぐるみシリーズの他の子もたくさん彼が集め出して
ベッドの周りは大変なことになっている。

このあいだ、ぬいぐるみを枕元に置くと気を吸われるという記事を読んで笑ってしまった。

頼むからたくさん吸ってくれ。
そしてグレイくんが少しでもまともになって、地球人に近づくなら本望だ、と。

わたしが死んだ後、このぬいぐるみたちを娘が見たらそうとう引くだろうな、
いや、娘の彼氏くんなんかドン引きだろうな。とか日々死後のぬいぐるみ問題を案じてはいるが、まぁ、死んだあとはどうでもいいので楽しんでくれ、と思う。

呪物コレクターが部屋に呪物を置きまくっていても彼らはしあわせそうなのだからこんなにfluffyでかわいい子達が吸う気など、微々たるものだろう。

そして、理想のパートナー像だった某クリエイターもまたイマジナリーフレンドがいた、っていう衝撃の事実を知り

理想を明確にすると、そういう人を引き寄せる、みたいな話はあながち嘘じゃないな、と思い知った今日この頃です。

ではまた。

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