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【昔のやつその3】男性支配の起源と歴史

でた~~~っ!!なんてストレートな題名なんざんしょっ!!
ストレート過ぎてなかなか手に取れなかったけど、とうとう読んでみました。

面白かった。

この本の特徴は「歴史学」であるということだ。あくまで、現存する文典を元に考察してある。もしくは、発掘された遺跡からの考察だ。

この本の始まりは新石器時代までさかのぼり、中心はヒッタイトやら古代バビロニアなどである。ハムブラビ法典やら中期アッシリア法典やらヒッタイト法典やらが出てくる。
世界史なら、一学期に習うようなところがメイン。
海の民ときいてフェニキア人と分かったのはひとえに世界史を取っていたおかげ。ウォーリー(世界史の先生のあだ名、ウォーリーを探せが流行っていた頃で、尚且つそっくりだった)ありがとう<(_ _*)> アリガト

新石器時代のの人類の生活は狩猟と採集が中心だった。狩猟は毎回必ず取れるとは限らず、女・子供が採る小動物や採集がコンスタントに生命を維持するための大きな役割を担っていた。
狩に参加できる女性はいたが、その集団を維持するためには、一人の女性が2人以上の子供を産まなければならないため女性を危険な狩猟に参加させるのは集団の利益に反した、さらに現在よりも乳児の死亡率・死産が多かったと思われるため、妊娠可能は時期の妊娠回数は今よりも多く、狩りに参加する機会は少なかったと考えられる。

採集を通して女は薬草・染料を発見し、籠や布を開発した。
またこの頃の人類は「どのように」子供ができるのかを知らなかった。そのため、女性の子供を生む能力を「魔力」のように考えてた。
男女間は比較的平等であり、母系制で母処移住社会であることが多かった。

機能的分業が生存の為に必要だった。

その後、男性によって家畜農業が発展する。この労働は子供抱えている女性には不向きであり、男性がこれを仕切っていた。家畜農業により、いままでよりも生産性があがり余剰食物が出来た。その余剰食物のおかげで、男は支配を強めるようになった。また、家畜を飼うことによって「どうやって」子供が出来るのかを理解するようになった。

出産における女性の生物学的弱点が多くの女性を獲得させることとなり、女性=産む能力が財産となり、女性の奪い合いによる部族間の戦闘を引き起こした。その過程で戦士文化が生まれた。

余剰生産物は財産となる。男は作り上げた財産を部族内で継承したいと考える。また、子供は生産者として利用できる財産である。

この過程は「農業」の発展と共に強まった。(生産サイクルの必要性)

子育てに追われる女より、生産性があがった男性のに余暇時間が増え、そのことにより男性支配がより強まった。そして、生産に関することは秘密となり、一部の長老達が権力を独り占めするようになる。
女へのアクセスも、長老を通して行われるようになる。

そうして、母系社会は転覆し、父系社会が始まる。

この後、奴隷=妾=売春婦、ちょっと離れて妻ということも出てくる。
結局女の生産性が財産であるから、コレを中心に考えると全ては同じベクトルなんだよね。
敵国と闘って勝つと、被支配国の男は皆殺しで女だけ連れてこられ、戦利品として奴隷として、美しければ妾として支配国の男に与えられた。

とにかくどんな女も、労働力を搾取され、性的労働の搾取される。性的なスキルがなければ次の日から放り出されることもある。巫女になればそれも逃れることが出来たが、神殿売春などもあり、複雑だ。


で、問題なのはこの新石器時代の価値観が今もそのまま残っているところ。
そして、その新石器時代のままの役割を女に押し付けようとしているところ。
新石器時代だよ。。。何年前だよ。。。
その後のメソポタミアにしてもドンだけ前だよって感じでしょ?
でもね、今の21世紀でも特に変わってないでしょ?例の大臣の意見ってまさにコレだもん。


最後に本書からの抜粋****************

 家父長制的思考の外に出るということは、全ての既成の思考に疑うこと、あらゆる仮説を批判すること、価値と定義を整えることを意味する。
私達自身の、女の経験を信用することによって人が言っていることを試すことを意味する。このような経験は普通はとるに足らないものとして無視されてきたので、家父長制的思考から外に出ることは、自分の中に抜き難くある抵抗に打ち勝ち、自分自身と自分自身の知識を価値のあるものとして受け入れることを意味する。=中略=
 それは自分たちの思考に批判的であることを意味する。私たちの思考は結局のところ、家父長制的伝統の中で教育されているからである。最後に、一人で立つ勇気、手の届かないところまで手を伸ばす勇気、危険を冒す勇気など、知的勇気を育てることを意味する。

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すげ~長い日記になったけど、読んでよかったなぁと思ったので。。。

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