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創造的な組織のなり方 1 : 5段階のステップと土台となる概念

Tsubasa Tanaka

自身の過去の実体験やいくつかの本を読んでいく中で、デザイン中心の組織を作るために何が必要なのか?や組織フェーズごとの最適な人数などにについて少しまとめ、これから組織を作成していく人の何某かの役に立てばと思います。
また少し、内容が長くなりそうなので分割して記事を載せようと思います。

※あくまで、デザインを中心とした組織を作るまたはデザインが中心の組織になることにフォーカスした内容になります。

「デザイン、アート、イノベーション」を読んでわかったこと

近年、DXやデザイン経営宣言と言った文脈を元にした高度デザイン人材の育成や採用、そういった人材を活かしたデザインの内製化が進む中で、デザインという活動を組織に取り入れたり新たにデザインを起点とした組織を作ると言った動きがメディア等で見られますが、デザイン思考を取り入れただけやデザイナーを採用しただけになっていないでしょうか?または、デザインを中心にした組織に変えたいけどなかなか上手くいかないといったことはありませんか?
私も、なかなか上手くいかない悩みを持つ一人です。

ただ、この本を読んだことで何が大切でどのように進めて行くべきか、どのような段階で進めて行くべきなのかが自身の経験してきたこととひも付き少し整理が出来た気がします。
これから、組織をつくる人やデザインを中心とした組織を作ろうとしている方にもおすすめの本です。

※ここからは、この本を読んで創造的な組織になるために重要だなと思ったポイントを私の経験則も含めてピックアップした内容になります。

創造的な組織になるための5段階のステップ

創造的な組織になるための5段階のステップ2

デザインを中心とした創造的な組織になるには単純にデザイナーの採用やデザイン思考、デザインイノベーション理論と行った手法を導入しても上手くいくわけではありません。
Nir Hindiも「デザイン、アート、イノベーション」でこのように述べています。

クリエイティブな手法をデザイン思考に限定せずに幅広く捉えた上で、それらはあくまで表層的なメソッドに過ぎないことや、それらを社内で機能させるためには、その下支えとなる経営層のコミットメントや創造的な人材が評価される文化の構築などが必要になる。

このように、組織を作るまたは変化を起こすことは一朝一夕には行かなのが現実です。
ただし、段階的に進めていくことは可能です。
この本にも書かれていますが、創造的な組織を作るには5つのステップを段階的に進めることが大事です。
では、その重要な5つの段階を見て行きましょう。

1.経営層のコミットメント
ここでいう「経営層のコミットメント」とは経営層の支持を得るということです。(具体的には創造的な活動やその旗振り役に対してきちんと予算や権限が付与されていることです。)支持を得るということは承認をもらうというよりは、経営層自身がその活動に対して組織的に価値を見出していることが重要です。
これは、当たり前かもしれまんせが非常に重要でありその先の段階も後押ししてくれるものになります。ここがない場合は次のステップに進むのが困難になります。

2.文化
経営層の支持が得られることができたら、次は創造的な人材が評価される文化を築くことが重要になります。
ここで言う文化とは、「何を受け入れ、何を否定するのか」や「何を推し進め、何を避けるのか」などを判断する際の基準となる組織内で共有された価値観(要は、企業文化や組織文化)のことです。

3.スキル
ここで言うスキルとは、独創性・創造的に物事を考え、行動できることを指します。
最近ではデザインの領域が広がっているため、具体的にこのようなスキルと断言するのは難しいですが、物事の考え方や視座・視野・視点が作ろうとしている組織に合っているかが重要になります。

4.メソッド
「デザイン思考」「デザイン・イドリブン・イノベーション」「アート思考」などの手法が含まれます。
扱おうとしている手法への理解が組織単位で醸成されているかが重要になります。

5.行動
創造的なアイデアを形にかえて市場に届けるために実行すること。
これらの5段階のステップを1歩づつ進めて行くことで、創造的な組織に近づくことが出来ます。また、これらのステップは個人ではなく集団(組織)として進めて行くことが重要で5段階目の「行動」を個人単位ではなく組織単位で行えるようになっていることが理想です。

本の中では、Nir Hindiがこのようなことも述べています。

社内にデザイナーをはじめとするクリエイターの文化に対する理解やリスペクトがなければ、クリエイティブな手法を導入しても、結局は失敗に終わるということを意味している。

創造的な組織を作るときは経営層のコミットメントをはじめ、段階的に進めることが大事であると同時に、クリエイターの文化に対する理解やリスペクトも大事であるということではないでしょうか?
これは、クリエイターに閉じた話ではなく開発やビジネスサイドにも共通して言えることだと思います。


創造的な組織になるための5段階のステップを支える概念

5段階のステップを進めるにあたり、それを支えている土台となり概念があります。

それは「デザイン態度」です。

本にも書かれていますが、「デザイン態度」とは...

デザインのプロフェッショナル集団が持つ組織文化であり、デザイナーの活動を支えるOSのような存在である。
それに対して、デザイン思考やDDI、アート思考はいずれも、デザイナーの多様な能力を再現(モデル化)したものである。
そのため、それらを機能させるのは、デザイナーらしく振る舞うことを許容する土壌や風土が必要になる。

このように、デザイン態度を簡単に言うと組織文化に近しいです。
よって5段階のステップにおける2つ目の「文化」の所に該当し、以降のステップの土台となるものになります。
これらを三角錐のモデルにすると下の図のようになります。

5段階のステップを支える概念

「デザイン態度」は5段階のステップのうち「文化」以降のステップに影響があり、これを醸成できていないといくらその先のステップにあるスキル(能力やそれを持った人材の採用)やメソッド(手法の導入)に進んでも機能しません。(組織に普及しません)
同時に、経営層のコミットメントがないとこれらを醸成することも難しといえると思います。
5段階のステップを表面的に見ると単純に見えますが、このように文化醸成も非常に重要で泥臭いコミュニケーションや啓蒙活動が大事になってきます。


今までの経験との合致

これまで、10名程度から200名、700名規模の組織への転職をし、その中でデザイン組織やデザインを中心とした組織を作ろうと奮闘してきた中で、この本に書かれていた内容と合致していて、特に重要なことは、やはり「経営層のコミットメント」でした。
ボトムアップからのアプローチやトップにアプローチして進める、どちらも平行して進めるなど様々なアプローチを試してみましたが、人数規模によって進む速度や効果は違えど、どの方法も経営層のコミットメント(活動に対する予算や権限の付与、その活動に対し経営層自身が価値や重要性が見いだせているか)が非常に重要でした。
このコミットメントがあることで、周りからの批判の軽減や全社的な認知を取るときの他部署や多職種との協力関係の変化や社内で何かを行った際の情報拡散力への影響も異なりま。

今回の内容の最後に....

いきなり、創造的な組織を作るまたはなろうとするのではなく、他の組織やメンバーからデザインという取り組みがどのような認識をされているかを組織または会社単位で知るために「THE DESIGN LADDER」を活用してみるのも良いかもしれません。
どのような認識を持っているかを知ることで創造的な組織になるための5段階のステップの細かい施策の打ち出し方も変わります。
過去に所属していた会社ではデザインが全く浸透していなかったこともあり一部経営層やリーダー層を交えて「THE DESIGN LADDER」を活用したことがありますが、経営層と現場の認知の違いが視覚化され状態を把握できた事で他の施策を行いやすくなりました。


参考にした書籍や記事


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