女王陛下のお気に入り 感想 憎み合う幸せ


エマ・ストーンが好きなのでこの映画も好き。

彼女が心の底から笑うのを見ていると幸せな気持ちになる。意地悪なことをしてても彼女は可愛い。その自由さ、奔放さを表現することが、彼女の幸せだったんだと感じる。

この映画も『半世界』のように三角形の映画で、罵りあって憎み合いながら愛しあって、そういう関係を続けることが3人全員にとっての幸せだったんじゃないかと思った。毒が三角形を破壊し、修復不可能なものにしてからはどんどん3人全員が可哀想になっていった。

エマ・ストーンの持ち味は奔放な活動力で、型にはまるとか、しきたりとかを軽く踏み越えて、踊り越えて、自由を表現することにあったと思う。でもそれは、レイチェル・ワイズという横綱がいてはじめて、発揮できる自由だったのかもしれない。

目指していた幸福を手に入れて、享楽できる結果よりも、幸福を目指していた過程の方が「幸せな状態」だったのかもしれない。そんなことを思った。幸せはいつも逃げていく。手に入れたその瞬間に、思っていたものではないと悟る。そういう性質のものなのかもしれない。

幸せを掴んだ後よりも、幸せを掴もうと憎み罵り合う中でこその幸せというものもあったんだろうと思う。

3人が憎み、嫉妬し、挑発し、そして愛し合うそんな幸せな時間がいつまでも続けば良かったのに。




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