【7】独学大全/読書猿【書評】

参考度:⭐️⭐️⭐️
おすすめ度:⭐️⭐️


読んだきっかけ

大学の蔵書にあり、「何だこの分厚い本は」となり一読。面白かったので購入(高かった……)。

感想

文字通り独学の仕方についてまんべんなく書かれた本。
やる気の出し方、学ぶ題材の探し方、実際の学習法と3ステップに分かれており、それぞれのステップで技法が10前後紹介されている。

おそらく著者は知識人なので、普段本を読んでいない人にとっては読みにくい文章が続く。ビジネス書でハウツーを理解し実践に移さないような人が軽々しい気持ちで読める本ではない。ある程度難しい文章が読める人でなければ厳しいのではないかと思う。
この本をまともに読むことができる人は、独学の仕方はある程度知っている可能性が高い。となるとこの本の意義は、ある程度独学の経験のある人間が、自身のやり方を枠に落とし込み、さらに良いものにするためにある……といえるかもしれない。

内容としては非常に参考になった。独学の方法に重きを置くのではなく、その前提にある部分をきちんと認識し、その対策方法を講じている点が極めて良かった。
やる気が出ない人を愚かだと言いつつも、突き放さずアドバイスを送ってくれる。スパルタ的な本で、大変気に入った。

「独学者になる」という覚悟がある人は是非一読してほしい。ただ、大した努力もせずハウツー本を読み漁っているような人間(私である……)が軽い気持ちで読める本ではない。万人ウケはしないだろうが、独学者を志す人間にとって道標となってくれることは必至だろう。

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