経営者になるための道⑦〜立ち上げ編、最終話〜

私が開業した20年前は、
今のようにSNSが発達していません。
インスタグラムもフェイスブックも
ありませんでした。


だから、お客様に選んでいただくためには、
「接客と技術と口コミしかない!」
と考えていました。

そして、他のサロンと同じでは
ダメだと思い、差別化を図るために、
常に新しい技術を取り入れるように
していたんです。


当時、アクリルスカルプチャーが全盛期で、
ジェルネイルはまだ浸透していませんでした。


私はそこに目を付け、
早々にジェルネイルを導入しました。


もちろんスカルプは人気でしたし、
私も好きな技術ではあったんですが、


一方で、2~3週間で浮いてくることと、


施術が難しく、スタッフによる
差が生まれるという課題がありました。


ネイリストを雇っている以上、
誰もが同じサービスを提供できないと、


特定のスタッフにばかり指名がついて、
お店をまわすことができません。


(実際に、私にだけ指名がつく時期がありました…)


経営的には大問題です。


でも、ジェルなら1ヵ月は持ちますし、
誰でも長持ちするネイルに仕上げられます。
しかも、新しい技術なので話題にもしやすい。


私の持つ経営課題をクリアするために、
ジェルネイルはぴったりでした。


この視点がハマったと思います。


おかげさまで、
ジェルネイルを導入することにより、
スタッフ間の技術の差がほとんど
なくなってきましたし、

お客様も、ご来店が1ヵ月に1回で
よくなったので、喜んでいただけました。


次第に、お店は「常に最低1席は
埋まっている状態」を維持することができ、
リピーター様も増えてくるようになりました。


ネイルサロンというのは、
お客様が座っていて、
施術している景色が見えるからこそ、


ネイルサロンと分かってもらえるものです。
そして、空席だらけのお店に入ろうと
いうお客様もいらっしゃいません。


だから、「常に最低1席は埋まっている状態」
は大切なんです。


こうした外側からの視点(お客様の視点)
を忘れず3年たった頃、
2号店をオープンすることになりました。


経営者を目指してきたからこそ、
多店舗展開がしたくなったんです。


といっても、何の根拠もなく
出店しようとしたわけではありません。


1店舗目の運営がシステム化してきて、
経営を安定させる道筋も見えていました。
2店舗目を出せるマニュアルが
描けていたから、舵を切ったわけです。


その後、そのマニュアルを使って
徐々に店舗を増やし、6店舗45名体制の
ネイルサロンになりました。


自分でも頑張りましたが、
やはりいろんなご縁に感謝しています。