定点観測

火曜すすきの朝のマックは静かだった
いつもの異種格闘技的なごった煮のような人達は居なく
おじいちゃんやおばあちゃんがコーヒーを飲んでいる
ネルシャツの挙動不審がスマホでゲームしているくらいしか居ない
いつものコンビを注文し
Spotifyで唾奇セレクションを聴きながら
ノートPCでブラウジングや記事を書いたりまったりする
気分はノマドワーカー

過去働いていた会社の同僚、上司のFacebookのページがふと目に留まる
白髪だらけじゃないか、老けたなぁとつくづく思う
もうおじいちゃんみたいになっている
そりゃあ、あれから一度も会っていないのだから
数年前で時が止まって見えているのは僕の方だったりする
新しい情報がないから、情報はアップデートできず
人間関係の感情も当時のままだ
まるで冷凍保存されたみたいに
Facebookのおかげでビジュアルのアップデートはできたのだけれども
中身までは現状について知る由もない
いっそあのまま冷凍保存したままでいいのかもと思えるものもあるから
またそれはそれで愉快だ

知らなくて良い情報更新も知りたくない情報も
気がつけばとりあえず更新されてたりする
それこそこんな情報端末に繋がってさえいなければ
僕の脳は過去の記憶を勝手に美化してくれるのだろう
そういった意味では今はとてもリアルだったりする
リアルに情報が更新されて現実を直視するに対してコストがかからない
多少なりのネットバイアスがあろうとも
何もなかった頃から比べるとまだ解像度が鮮やかだ
いや、目の前のWQHDの画像と脳内記憶の整合性がまだついていないのか
ぼんやりそれを受け入れている

っていうか
おじいちゃん席で横になって寝るなよ
おばちゃん食べ終わったトレイ放置するなよ
この糞モラルでよくあの歳まで生きてこれたと思うと
日本は平和だなぁと思う

了