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聴覚を騙すタイムアライメントテクニック

プロでも間違うタイムアライメント調整の謎

前回ではカーオーディオスピーカーがどのように聞こえるかをお伝えしました。そこでカーオーディオで調整に使われるタイムアライメントについて書いてみようと思います。

DSPシグナルプロセッサーでタイムアライメントはデジタルで音の時間軸をずらして試聴ポイントにおいて音を揃える機能です。通常、カーオーディオのスピーカーは試聴ポイントからみてスピーカーの配置がバラバラであるため音の到達時間は必ずズレてしまいます。左右だけでも、到達時間がずれると音の整合性が壊れて、位相ズレという現象がおきて左右のスピーカーで音の打ち消し合いや重なりの現象がおきてスピーカーが出したい本来の特性が出せなくなります。この現象は取付上で共振でも起こることがあります。

タイムライメントを使いこなすには?

タイムアライメントの調整でどのように使ったら良いかわからないで調整されてる方がほとんどです。これは大きな間違いです。ナビゲーションなどの説明書にはスピーカーの距離を測って設定すると書いてありますが、スピーカーから試聴ポイントの距離を測っても根拠もない調整となり実際には合っていません。なぜならスピーカーの到達する実際の時間、スピードは距離では測れないからです。正確には測ろうとするならスピーカーが測定音源を一瞬に出してマイクでキャッチして専用のアプリなどで到達時間を測定しない限り本当の正確なタイムはわからないのです。つまり、スピーカーによって音速が異なるのでメジャーで測った距離では全く間違ったタイムアライメントを調整してしまうことになります。例えば、片側のツィーターとミッドバスだけでも到達する音のタイミングが違う事や取付位置が違えば大きくズレてしまう事が考えられます。

それではタイムアライメントで音を揃えるということは実際にどのような事なのでしょうか。よくタイムアライメントを調整するときは左右のスピーカーで調整しますがこれは、左右の時間軸のズレですので自分が合わせたい左右の位置になります。これにツイターやミッドレンジが加わるともっと厄介です。それぞれの左右を調整して出したいポイントに合わせても今度はツクターやミッドレンジが加わってそのままではズレてしまうのです。つまり片側のスピーカーだけみても縦のつながり、ツィーターミッドレンジ、ミッドバス、サブウーハーとそれぞれの時間軸が合わないと音は一つのまとまった音にならないのです。これを専門的には縦位相と呼びます。縦位相がピッタり合うとどんな音になるのでしょうか。それは一つの音にまとまるということです。最初にステレオがどんなものなのかは説明したと思います。ステレオは左右の2つの音しかありません。これが、ツィーターミッドレンジ、ミッドバス、サブウーハーと音の帯域を分割したため時間軸がズレてまとまりにくいこれをタイムアライメントで全部左右位相と縦位相を修正して正しいステレオ再生にしなければ音の打ち消し合い現象が起きてスピーカーが出そうとしている本来の特性やフラットに近い音にはならないのです。
ここまで読めばどのように調整すれば良いかがわかるはずですよね。

聴覚による調整は難しい

タイムアライメントの調整が理屈上難しいことはご理解でしたと思いますがよくある話では音楽を聴いて調整するという方がいますが、これでは全く調整は非常に難しいです。なぜならばCDや配信音源は左右の音の配置を勝手に人が録音のときに決めているからです。例えば必ずしも歌っている人、ボーカルがセンターにいるとは限らないですし、楽器などの配置も音源によってばらつきがあるからです。自分の聴く音楽がわかっていると思うならそれは勝手な勘違いもいいところです。音源を作った人で無い限り正確な位置はわからないです。又、先程に説明した縦位相は全くといって分からないはずです。間違った位相関係ではバランスの悪い聞苦しい音となりそれをイコライザーで矯正して無理にフラットに調整するのは犯罪を犯しているのと同じぐらい間違っています。音楽の音源はフラットに音が作られていないですし、音楽を提供する側の勝手な音楽バランスであることです。いろんなCDを聴けばどれも同じバランスには聴こえないと体験できるはずです。

聴覚だけで正確に合わせるのはとても難しいと理解して頂けたでしょうか。もし貴方が聴覚で合わせるとしたら音楽でなく他の音源、例えば音のつながりがわかるテスト音源となるはずです。これらが理解できたら早速自分の車で試してみてください。

まとめ

・タイムアライメント調整は音楽では調整できない。
・スピーカーの到達時間軸はそれぞれ違うので揃える必要がある
・タイムアライメント調整には左右の時間軸調整(左右の位相)と縦の時間軸調整(縦位相)がある。
・聴覚では調整は難しいが音楽で調整でなく位相がわかる音源が必要。

以上です。迷ったら当店、スタディオメッセにご相談ください。

カーオーディオ専門店STUDIO-MESSE
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