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それが力の限界ってやつなのかもしれないから、一旦受け入れた上で、どうするか考えるしかなくない?

自分の世界の範囲ってわかりづらい。それは自分だから、距離が近過ぎてよくわからないのかもしれない。自分の世界の範囲があまりにもわからない場合、他人の存在が実はあまりうまく認識できていない。自分の好き嫌いに合うかどうかで他人の意見を肯定するか否定するか保留するかを判断していることもわからない。自分の好き嫌いを一旦横に置いて現状を整理できなくなる。そこに恐怖や不安があればさらにその傾向は顕著になる。

その結果がノーマスクでの集会だったり、ノーマスクで営業する飲食店の営業だったり、三密最高とのたまうフェス開催だったりにも繋がっている。
現状、青春が奪われようが思い通りにいかなかろうが、感染拡大する病気が流行しているのだけれど、自分が罹患した経験がない人、罹患しても運良く軽症で済んだ人にとっては、重症化して苦しんでいる人も、病床が不足する中、時に寝る間を惜しんで働く医療従事者も全て別の世界での、異世界での出来事に思えるのだろう。
リスクを測るのって難しいと思うけれど、現状のリスクよりも自分の欲求を優先してしまうのは、ああホモ・サピエンスなんだなとしか言えない。

自粛から外れる人、当然感染して重症化しても良いやと考えている人はほぼいないだろう。感染しない未来と感染して死ぬ可能性があっても今を楽しむことを天秤にかけた際、どちらを選ぶかは、少なくとも制限はあっても今の日本では認められているから。

でもそんな行動は社会的に容認されない同調圧力があり、自粛から外れた行動をする時、ぼくらは誰かを悪者にして自分を正当化して行動する傾向が見られる。ぼくらはやっぱり他人から「悪者」にされたくない。嫌われることよりも「悪者」にされることの方が嫌なのかもしれない。だから自分がしたくないことについて、他者に責任を押し付ける。他者に責任を押し付けても残念ながら、感染症が蔓延している現在を変えることはできない。

自粛から外れる行動でCOVID19に罹患し、入院で運ばれてくる患者が途切れないい中、自分の世界が全てと信仰している中年の有名人にわけのわからん発言をされたり、注目をあびることが裏の目的なマスメディアのわけのわからん報道で、実際の労働のみならず外部からも医療従事者はストレスを受けている。1密でも感染するデルタ株が蔓延する中、三密環境で罹患した患者を治療する時、非常に微妙な気持ちになる医療従事者も多いのではないかな。

仕事だから! 当たり前だろ! やれよ! って言われたい人はどれくらいいるのだろうか? 今第一線で心身ともに削りながら働いている人に、今全力を尽くしている人に、そんなことを言える人は過去の経歴や立場関係なく、自分の世界に引きこもっている人だろう。

そんな主張する引きこもりがメディアで高らかにわがままを主張するのも、ワクチンの予約がなかなか取れないのも、予約が取れず罹患し重症化するのも、ワクチン接種にかかる制度の不備や、制度設計の弱さ、国民の現状把握力やその範囲、情報の取捨選択、今起きていることの全ては、日本社会の実力なんだ。

誰かが悪いか良いかではなく、日本社会の実力。
相手がこの2年ほどで変異を繰り返し強毒化していったコロナウイルスに、理想的に対処するだけの実力がなかった。それがどんな理想かはわからないけれど。

医療逼迫もワクチン接種の交通渋滞も反ワクチンのお気持ち本がベストセラーになりその著者が三密を避けるために他人の所為にしているのに信者が熱狂しているのも、とにかく若干乱暴にでもワクチン接種をすすめようとする政府も、これ全部日本社会の実力。

この実力を構成するのはこれを読んでいる人も読んでいない人も含めて、日本に居住する全てのホモ・サピエンスなんだな。

国民が求めている責任や質に届いていないと思うんだけど、そんな政府を抱えていること(ついでに無能な野党を抱えていることも含む)も含めて日本の実力。まずコレ、受け入れないと仕方がないな〜と最近思うし、受け入れた上で今後どう自分が行動するかも考えなくちゃな〜って思う。

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