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キュービックの人事専門家に聞く、正しい1on1(後編)

キュービックのPXO(ピープルエクスペリエンスオフィス)に所属する人事の専門家、染谷さんへのインタビュー。後編では1on1の難しさや、その解決方法について紹介します。

(前編はこちら)

「正しい1on1」はとても難しい

—— キュービック社内の1on1にはどんな課題があるでしょうか。

一番感じるのは、若い社員がインターンと1on1をやるような場合ですね。インターンはまだ学生だから、かなり初歩的なステップでつまずいていることも少なくありません。そんなとき、つい「それはこうすればいいんだよ」と本人の代わりに答えを出してしまうケースが見受けられます。こうすると速やかに課題が解決して成果も上がるので、一見問題ないように見えるんですね。だから本人たちも「1on1によってうまくいった」と勘違いしてしまいます。

でも、この方法は1on1としては正しいやり方だとは言えないと思っています。なぜなら、そのインターンが成長していないから。自分で解決する力が身についていないから、今回はうまくいっても次の壁に当たったとき、また同じようにつまずいてしまいます。だから私は「自分で答えを考えさせる」対話を1on1と呼びたいと思っています。

ただ、これはとても難しいことです。実は最近、私は他部署の兼務がついてマネジメント対象が変わったのですが、それ以降、不思議なことに以前の部下と1on1する機会が逆に増えたんです。直属の上司と部下の関係だと、どうしても話の内容が業務のアクションについての話になってしまい、質問ではなく詰問になりがち。でも部下がほしいのは、指示ではなくヒントなんです。ですから、上司と部下という関係でなくなったことで、純粋に相談相手として話ができるようになり、「1on1やりましょう」と言われることが増えたというわけです。

おそらく、社内の誰よりも長い時間1on1の勉強をし、一番多くの1on1をこなしている私ですら、知らず知らずのうちに答えを出そうとしてしまっていたのだから、「正しい1on1」を社員全員に求めるのは、かなり難易度が高い、と改めて思い知りました。

また「本当に上司と部下の間でやる1on1がベストなのか」という点にも、自分の中で答えが出せていません。そこで今は月2回の1on1のうち、1回目は直属の上司と行ってもらい、もう1回は私と行ってもらうというシステムを社内で試しています。

—— 先日、福岡支社でも1on1の研修を行っていましたが、どんなことをしているのでしょうか。

まずは、1on1が部下のための時間であることや、経験学習を促す具体的な方法について説明します。「質問して、相手の話を要約して、励ます」みたいな分かりやすい言葉で1on1の考え方を説明しています。
そのあとロールプレイをします。どちらかというと、これがメインイベント。人の1on1を見る機会はなかなかないですし、自分の1on1を第三者に見てもらう機会もありませんから、ロールプレイをすることでいろいろな気づきが得られます。


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1on1を「部下のための時間」にするために

—— GUiDEEは染谷さんの1on1経験に基いたアイデアがいくつも盛り込まれていますが、特に重要なポイントはどのあたりですか。

事前にテーマ設定をするのは必須だと思います。当日顔を合わせてから「さあ、何を話そうか」と考え出すのでは、お互い時間がもったいないですよね。部下はあらかじめ話したいことを整理しておき、上司もそれに目を通して準備しておけば、1on1の時間を有効に使えます。

またテーマを書き出しておけば、「部下が話したいことを話せたか」が明確に分かりますよね。1on1はあくまで部下が話したいこをを主軸で進めるものですから、上司が話したい話題になってしまうのを防ぐ上でも、事前に部下がテーマを書き出しておくことは有効だと思います。

部下がコンディションを入力する機能もリクエストしました。これは私がいつもやっているアイスブレイクの手法で、「今日のコンディションは10段階でいくつくらい?」と聞くことで会話のきっかけになるし、部下の状態を把握することができます。

—— ありがとうございました。

ということで、GUiDEEは現在、染谷さんも含め社内で絶賛テスト中。特に1on1ツール部分は、正しい1on1を「型化」して誰もが実施できるよう、一生懸命に磨き込んでいます。ぜひご期待ください!

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