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[HRテック企業研究] #01 従業員の満足度をリアルタイムで把握できるGLINT

こんにちは!GUiDEE開発チームのモイです。
膨大な数のHRテック企業が登場しているアメリカ。HRテックサービスを手がける身として、そんな海外事情は常にウォッチしたいところ。ということで、そんな海外HRテック企業の中から、定期的に気になった企業を研究してみようと思います。

今回注目したは「GLINT」です。
その理由は、キャッチコピーにぐっときたから。いや、マジメです。
そのコピーとは、
When people succeed, your organization succeed
というもの。
社員が成功すれば、組織も成功する
といったところでしょうか。

これはGUiDEEのコンセプトである
個人の成長を通して組織の成長を実現する
に通ずるものがあるな、と思ったわけです。

さてそのGLINTですが、従業員のエンゲージメントを可視化する、いわゆるサーベイツールを提供しています。サーベイは、質問の内容や頻度によってさまざまな種類があり、年1回詳細な質問に答える大規模調査もあれば、サイバーエージェントの「Geppo」のようにたった3問に月1回答えるだけ、という手軽な調査もあります。

調査結果を直感的に可視化

GLINTのサーベイは比較的簡単な調査を定期的に行う、いわゆる「パルスサーベイ」と呼ばれるタイプです。パルスは英語で脈拍のことで、脈拍を測るように定期的に定点調査を行い、組織の健康チェックをするようなイメージでしょうか。

従業員のパフォーマンスや状態は年に数回の評価のときしか分からないという会社も多い中、パルスサーベイは短いスパンで組織の状態チェックができるため、早い段階で問題に対処したり打ち手を考えることができます。中でもGLINTは1-2分程度で終わる簡単な調査を頻繁に行うことで、組織の状態を“リアルタイムで”可視化する、というのをウリにしています。

同社のもうひとつの特徴は、調査結果の分析・活用にあります。膨大なデータを機械学習や自然言語処理、予測分析によって分析。単なるスコアだけでなく、従業員のコメントをヒートマップやタグクラウドなどさまざまな手法で可視化してくれるため、膨大なコメントをマネージャーがひとつひとつ読む必要はありません。

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分析結果はダッシュボードにまとめられるため、マネージャーや人事部、経営者などはチームや組織の状態を直感的に把握できます。さらにこれから起こりそうな問題を予測したり次にとるべきアクションを示したりと、実際に行動に移すための仕組みによってマネージャーに改善を促すことで、従業員のエンゲージメント向上や離職率の改善につなげます。

GLINTでは、このサーベイをベースに、従業員の満足度を把握するための「従業員エンゲージメント」、入社後のオンボーディングから離職までの意識変化を把握できる「従業員ライフサイクル」、データからマネージャーの強み・弱みを分析して改善プランを提示する「マネージャー改善」、チームの状態を可視化して改善につなげる「チーム改善」の4つのソリューションを用意しています。

こういったサーベイツールは、これまで表面化しにくかった従業員の声をすくい上げてくれる一方で、「本当に正直に書いて大丈夫なの?」という心配もつきまといます。そこでGLINTはホンネを引き出すために、データを5人以下のグループには細分化できないようにしたり、データの閲覧権限を厳密に運用するなどの仕組みを実装。平均85%という回答率を達成しています。

2018年LinkedInが買収

GLINTは2013年に米カリフォルニア州で創業しました。共同創業者でCEOを務めるJim Barnett 氏はシリアルアントレプレナー(連続起業家)としても知られる人物。GLINTは2016年にはシリーズCとして2700万ドル、2017年にはシリーズDとしてさらに2000万ドルを調達するなど順調に成長を続け、2018年10月にマイクロソフト傘下のビジネスSNS、LinkedInに買収されました。ユナイテッド航空やNVIDIA、Dropboxなど多くの大企業をクライアントに抱えています。

GLINTにのようなサーベイツールを提供する企業としては、日本ではリンクアンドモチベーションの「モチベーションクラウド」が有名です。こちらは1回の調査に約20分と、GLINTと比べると少し長めのサーベイ。ほかにも同じシリコンバレーのスタートアップであるCultureAmpやシアトル発のTinyPulse、アンケートプラットフォームを手がけるQualtricsなど数多くの競合がしのぎを削っています。

その中でGLINTの優位性は、ホームページによると科学的アプローチや機械学習を使った分析アルゴリズム、直感的なデザインといったところがアピールされています。他とまったく違うような斬新なアイデアというより、完成度の高さで選ばれているといったところでしょうか。LinkedInに買収されたということで、今後はLinkedInのサービスとの統合が進むかもしれません。GLINTが持つ膨大な従業員データやマネージャーのデータを利用したサービスを考えているかもしれませんね。

従業員の意識や状態をリアルタイムに把握し、データを元に組織の改善につなげていくパルスサーベイは、HRテックの中でもホットで目が離せない分野のひとつでしょう。

ちなみに私たちのGUiDEEペアクラウドは組織の最小単位である「ペア」に注目し、状態を可視化して改善していくツール。単に1on1を実施しておしまいではなく、データを蓄積して次のアクションにつなげることが大切です。そこをテクノロジーでどうサポートするか。GLINTのようなサービスも参考にしていこうと思います。

GLINT
GUiDEEペアクラウド

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