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銀行を脅かすフィンテック(融資編)について考えてみました
こんばんは!
このnoteでは、現役銀行員や銀行出身者の方向けの副業ノウハウをお伝えしています。
今日は、銀行を脅かすフィンテック企業について、取り上げていきたいと思います。
この記事では、銀行業務のうち、融資に関係する企業を取り上げます。
そもそもフィンテックとは?
FinTech(フィンテック)とは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、金融サービスと情報技術を結びつけたさまざまな革新的な動きを指します。
従来、銀行や証券会社といった伝統的な金融機関が担っていた金融ビジネスを、より効率的に・より安価に・よりスピーディに提供する試みと、言い換えることもできます。
1.日本における融資関連のフィンテック
日本における融資関連のフィンテックとしては、①トランザクションレンディング、②P2Pレンディング、③その他、の大きく3つに分けることができます。
1-1.トランザクションレンディング
通常の銀行融資では、事業内容や財務情報に基づく返済能力の審査+担保・保証人などの保全を考慮して融資可否を決定しますが、トランザクションレンディングでは、売買や資金決済などの取引履歴(トランザクション)などの様々のデータを収集し、それに基づき与信判断し融資条件を決定します。
利用者にとってのメリットは大きく3つあります
①今までの銀行とは異なる視点で審査される
トランザクションレンディングでは、今までの銀行融資では使われていなかったデータをもとに融資します。そのため、銀行では借入ができなかった企業であったとしても、トランザクションレンディングを活用することで、融資ができるようになります。
例えば、銀行の財務スコアでは低スコアとなりがちな債務超過先や、会社設立から日の浅い企業なども、トランザクションレンディングを活用することで、融資ができるようになります。
②融資実行までがスピーディ
通常の銀行融資だと、申し込みから融資実行までに1ヶ月以上かかります。また、申し込みに際しては、事業計画書の作成が必要となるなど、ハードルが相応にあります。
一方、トランザクションレンディングにおいては、申し込みから最短即日で融資が実行されるなど、スピーディな取引が可能です。
③少額からの融資が可能
銀行融資は、当座貸越といった貸出形態を除けば、基本的には貸出1本1本に稟議が必要となります。ですので、銀行の立場からすれば、できるだけ多くの金額を借りてくれるお客様の相手をした方が、コストパフォーマンスが高いため(稟議の労力は、貸出金額が少なくても相応にかかるため)、少額の融資はあまり受けてくれません。
一方、トランザクションレンディングでは、AIを活用した審査を行うため、上記のような事情はないことから、少額からでも借入を行えます。
トランザクションレンディングを行なっている企業の一例
住信SBIネット銀行:最大3,000万円
amazon:最大5,000万円
GMOイプシロン:最大5,000万円
楽天:最大1,500万円
上記は、日本国内で現在、トランザクションレンディングを行なっている企業の一例です。ネット銀行系とECサイト系が主要なプレイヤーであることがわかります。
1-2.P2Pレンディング
P2Pレンディングとは、クラウドファンディングの一種であり、プラットフォーム上で複数の貸し手が借り手に対して融資をする仕組みをいいます。
クラウドファンディングには、実は大きく分けて4種類あるのをご存知でしょうか。
【クラウドファンディング】
寄付型:資金提供者が、資金需要者に対してお金を寄付する。
購入型:資金提供者が、資金需要者の提供する商品やサービスを購入し、お金を支払う。
株式型:資金提供者が資金需要者の株式を購入し、お金を支払う。
融資型:資金提供者が、資金需要者に対して融資を行う。
CMなどでよく見かける、MakuakeやCampfireは購入型、Readyforは寄付型に(主に)分類されます。
また、株式型や融資型のクラウドファンディングプラットフォームを営む事業者は、金融庁の登録が必要となってくるなど、クラウドファンディングと一言でいっても、その内容や法的建て付けは大きく異なります。
P2Pレンディングはこのうち、融資型クラウドファンディングに位置付けられます。
P2Pレンディングのメリットとしては、次の点があげられます。
銀行とは異なる視点で審査される
P2Pレンディングでは、複数の貸し手が存在するため、多種多様な観点から融資を受けられる可能性があります。
単純な利回りを追求する人や、応援したいからお金を出す人まで、資金提供の動機は様々ですので、銀行では融資を受けられなかったような企業、案件でも融資を受けられる可能性があります。
P2Pレンディングを行なっている企業例
Campfire Owner
クラウドクレジット
クラウドバンク
funds
1-3.その他
トランザクションレンディングやP2Pレンディング以外にも、最近ではAIを活用したファクタリング(olta)や、AIスコアリング融資(J.Score)など、多様なフィンテック企業が出てきています。
フィンテック×融資のデメリット
とはいえ、すぐにフィンテック企業が、銀行を取って代わるかというと、そういう訳ではないと考えます。
理由としては、以下の2つがあります。
①融資金額がまだまだ小さい
銀行だと、中小企業であったとしても、数億円レベルの融資は一般的ですが、フィンテック(融資)は、まだまだそのレベルには到達していません。特に大企業の資金ニーズに応えられるようになるまでには、しばらく時間がかかるのではないかと思います。
②金利が高い
銀行の貸出金利は、日銀のマイナス金利政策の影響もあり、非常に低位で推移しています。大企業だと1%を切るのは当たり前、低金利が当たり前な大阪だと、中小企業でも1%を切る企業がごまんとあります。
フィンテック系の企業は金利が2%〜10%程度のところが多く、信用力のある企業が利用する動機付けは薄いかと思います。
まとめ
フィンテック企業の成長は著しいものの、足元の状況としては、「銀行から借りられない企業」が使うものといった立ち位置に留まるように思います。
ただし、AIを活用した融資審査がさらに進化すれば、銀行員・特に法人RMが必要なくなってしまう時がきてしまうかもしれません。
そのような事態が到来したときに、すぐキャリアチェンジできるように、今から色々と準備をしておくといいのではないかと感じました。
このnoteでも、銀行員・銀行員OBOGの方が、ご自身の成長につながるような副業に関する情報をご提供できればと思っております。
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