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銀行を脅かすフィンテック(決済)について考えました


こんばんは!

このnoteでは、現役銀行員や銀行出身者の方向けの副業ノウハウをお伝えしています。

今日は、銀行を脅かすフィンテック企業について、取り上げていきたいと思います。

この記事では、銀行業務のうち、決済に関係する企業を取り上げます。

融資編については過去に書きましたこちらをご覧ください。

日本における決済関連のフィンテック

日本における決済関連のフィンテックとしては、スマートペイメントがあります。

スマートペイメントとは

スマートペイメントとは、クレジットカードや電子マネーなどの電子的な決済サービスのことを言います。いわゆるキャッシュレス決済のことです。

最近ではクレジットカードや交通系ICカードだけでなく、PayPayやLINE PayといったQRコード決済アプリも普及しているのはご存知のところかと思います。

『電子決済総覧2019-2020』によると、電子決済の市場規模は、2019年に86兆円だったのが、2025年には127兆円まで拡大すると予想されています(その分、現金の流通高は40兆円減少する見込み)。

確かに、私自身もほとんど現金を使わなくなりましたし、実感としては合っているように思います。

スマートペイメントの進化が銀行に与える影響は、功罪両方が考えらえれます。

メリット:現金管理コストの減少

銀行にとってのメリットとしては、現金管理コストの減少が挙げられます。

ATMの維持管理費用や窓口で現金を取扱う事務コストとして、日本の銀行が負担している経費は年間2兆円に上ります(銀行の営業経費の3割近くを占める)。このキャッシュレス化の進展により、現金の取扱いコストが減少することは、銀行にとってはメリットといえます。

みずほFGの試算によれば、キャッシュレス決済が全体の60%になれば、1兆円のコスト削減を見込めるとのことです。2019年度決算における銀行全体の業務純益が3.3兆円ですから、そう考えるとこの1兆円という数字のインパクトの大きさがわかります。

ちなみに、小売・外食産業における現金取り扱い業務の人件費はおよそ6兆円にも上ります。そしてキャッシュレス化の進展により、3兆円のコスト削減が見込める(前掲みずほFG試算)ことから、これらの産業においても大きなコスト削減が見込めそうです。

デメリット:決済アプリの"メインバンク化"

一方、デメリットとしては、QRコード決済アプリが、その人がメインで使う決済手段になってしまったときに、銀行の収益が減ってしまう可能性があります。

銀行は、特に個人取引において、給与振込口座の獲得を通じて、その個人にとってのメインバンクとなり、住宅ローンや投資信託などのサービスへ展開しています。

今までは、給与振込を実施できるのは銀行等だけという縛りもあったことから、人々の生活資金の1番の源を独占的に抑えることができました。

しかしながら先日、条件を満たした決済アプリにおいて、給与振込を認めるとの政府発表がありました。これにより、銀行の独占的地位は消えてしまう可能性があります。

これについては先日以下の記事で詳しく書きましたので、よろしければこちらもご覧ください。

まとめ

銀行にとってスマートペイメントがもたらす影響は、功罪両方あるということがわかりました。

ただ個人的には、短期的にはコスト削減の効果を期待できるものの、中長期的には決済アプリの"メインバンク化"による収益減が効いてくるように思います。

銀行がこの流れにうまく対応できるのかどうか、現役銀行員の方は注視しておく必要があると感じました!

このnoteでも、銀行員・銀行員OBOGの方が、ご自身の成長につながるような副業に関する情報をご提供できればと思っております。

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