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銀行を脅かすかもしれないフィンテック(暗号資産)について考えました

こんばんは!

このnoteでは、現役銀行員や銀行出身者の方向けの副業ノウハウをお伝えしています。

今日は、銀行を脅かすフィンテックについて、取り上げていきたいと思います。

この記事では、暗号資産(仮想通貨)について取り上げます。

過去のフィンテック関連記事は以下をご覧ください!

暗号資産(仮想通貨)とは?

「暗号資産(仮想通貨)」とは、インターネット上でやりとりできる財産的価値であり、「資金決済に関する法律」において、次の性質をもつものと定義されています。

(1)不特定の者に対して、代金の支払い等に使用でき、かつ、法定通貨(日本円や米国ドル等)と相互に交換できる
(2)電子的に記録され、移転できる
(3)法定通貨または法定通貨建ての資産(プリペイドカード等)ではない

日本銀行ホームページより引用)

ビットコインやイーサリアムが暗号資産の代表的なものとなります。

暗号資産の特徴

暗号資産はどのような特徴を持っているのでしょうか。

よく混同されがちな電子マネー(SuicaやPayPayなど)と比較しながら、その特徴を説明したいと思います。

暗号資産は大きく4つの特徴を持ちます。

①中央管理者が存在しない

暗号資産には、価値を保証する発行主体や管理者が基本的には存在しません。

例えば日本円であれば日本銀行の、USDであればFRBがその価値を保証し、彼らの信頼性に依拠しています。一方、暗号資産は、そのような中央管理者が存在せず、ブロックチェーンという仕組みを活用して、暗号資産の参加者全員が相互に監視をすることで、決済手段としての信用性を担保しています。

通貨の価値の源泉は、「その通貨に価値があると人々が信じること」(=一般的受容性)ですが、「容易に偽造されない」ということも、その通貨の価値を毀損しない大きな要素となります。

その点、暗号資産は、ブロックチェーンという技術を活用することで、偽造(不正利用)を困難にし、かつ一般的受容性を確保した新しい技術です。

ブロックチェーンについては、大手暗号資産取引所取締役の大塚さんの本に詳しいので、興味ある方はぜひこちらをお読みください。

ちなみに電子マネーは、SuicaならJR東日本、PayPayならソフトバンクという発行主体が存在しますし、そもそも電子マネーの価値は日本円に固定されている(例;1ポイント=1円が変化しない)といるので日本銀行の信用の上に成り立っているという点で、暗号資産とは異なります。

②発行上限が存在する

多くの暗号資産には発行上限が存在します。例えばビットコインの場合は、2100万BTCが上限です。

法定通貨の場合は、発行通貨の上限は存在しません。日銀が刷ろうと思えば、いくらでも刷ることができます。

では、暗号資産にはどうして上限があるのでしょうか?一番大きな理由はインフレーションを防ぐためです。もし仮に発行上限が存在しない場合、暗号資産には中央管理者が存在しないため、暗号資産がどんどん発行されてしまい、インフレ=暗号資産価値の下落を引き起こす可能性があります。

このような懸念を払拭するために、多くの暗号資産には発行上限が設定されています。

ちなみに電子マネーの場合には、発行上限は存在しません。

③換金できる

暗号資産は法定通貨と換金ができます。
一方、電子マネーは法律上、換金が原則できません。

暗号資産を利用する人のメリット

ここまで、暗号資産の特徴について書いてきましたが、暗号資産の利用者にはどのようなメリット(動機)があるのでしょうか?

①投資(投機)対象

暗号資産の価格は日々変動しています。しかもその変動幅(ボラティリティ)は、株式や法定通貨と比べて非常に大きいことから、短期間で利益を獲得できる可能性があります。その分、損をする可能性もあることから、そういう意味では投資というより投機としての対象に近いかもしれません。

②決済手数料が安い

クレジットカードや電子マネーと同じように、暗号資産も一部の店舗でお会計時の決済手段として利用することができます。その際に、お店が決済事業者に支払う手数料が、クレジットカード等と比べて安いです。

クレジットカードの手数料は、業態によってさまざまですが、一般的には3%程度ですが、暗号資産は1%程度で済むようです。

③国を跨いだ決済が容易

海外送金など、国を跨いだ決済が容易にできます。

法定通貨の場合は日本円⇄USDといった両替が必要になりますが、暗号資産の場合は不要です。

また、銀行を活用した海外送金の場合は、SWIFTを活用しますが、数日単位の時間と、数千円前後の手数料が必要になるのに対し、暗号資産の場合は、高くても数百円程度の手数料と、分単位の所要時間で済みます。

そのため、海外送金においては、ビットコインをはじめとする暗号資産において、より大きなメリットがあるといえます。

銀行に与える影響

以上を踏まえて、暗号資産が銀行の与える影響にはどのような者が考えられるでしょうか?

結論としては、海外送金の部分において、大きな痛手を被る可能性があると考えています。

銀行を活用した海外送金は、利用者にとっては時間とお金がかかる厄介なモノですが、銀行からすれば重要な収入源です。送金手数料だけでなく、両替時に受け取る為替鞘は銀行の美味しい飯のタネなのです。

その海外送金が、暗号資産のとって代わられてしまわれれば、貴重な収益源の一つが失われてしまうことになります。

また、暗号資産が普及しなかったとしても、足元ブロックチェーンを活用した海外送金ネットワークの構築が進んでいます。そのため、いずれにせよ近いうちに、海外送金は銀行にとって美味しいビジネスではなくなるかもしれないのです。

そういう意味で、暗号資産が直接脅威にならなくとも、暗号資産の裏側にあるブロックチェーンという技術が、銀行の脅威になるといってもいいかもしれません。


明日は、フィンテックの中でも投資関連について取り上げてみたいと思います!

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