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”界 雲仙”の楽しみ方|体験・地獄散歩編

星野旅、界 雲仙の続きです。


雲仙でも本格焼酎ディスカバリー

ご当地焼酎カクテル

界 雲仙の「本格焼酎ディスカバリー」は異国情緒を感じる体験でした。チェックイン後に部屋に運ばれてきたのは、「海鴉(うみがらす)」という銘柄の壱岐焼酎を使ったカクテル。氷が溶けたためか公式サイトに掲載されているカクテルの写真とちょっと違うけど、赤・白・青はオランダの国旗の色。

マドラーで混ぜると、カクテル全体が青色に変わります。この色も綺麗〜。
カクテルの後ろに少し見えている箱は、お茶請けのお菓子、福砂屋のカステラです!たまに食べたくなるんですよね、福砂屋のカステラ。お茶とカステラ、カクテルとカステラ、どちらもいける。

カクテルを味わい、部屋の露天風呂を足湯がわりに休憩した後は夕食へ。
そしてまた部屋へ戻りました。(夕食等々は風景・食事編にて)

ご当地焼酎プログラム

しばらくすると焼酎とおつまみのセットを持ったスタッフさんが部屋へやってきて、長崎の「シュガーロード」にちなんだ話を紙芝居風に紹介してくださいました。

砂糖が日本に伝わったのは奈良時代、唐から日本へやってきた鑑真和上によりもたらされました(諸説あり)。当時、砂糖はたいへん貴重なもので、食用ではなく「喉の薬」として使われていたそうです。その後、大陸との貿易が盛んになり、砂糖や南蛮菓子も輸入されるようになりました。

江戸時代に、いわゆる「鎖国」政策がとられてからも、長崎ではオランダ・中国と貿易を行います。長崎から佐賀を通って小倉へと続く「長崎街道」は様々な人や物の流通で栄えました。街道沿道の地域では砂糖や菓子作りの技法なども入手しやすかったため、砂糖を使ったいろいろな名菓が生まれ、長崎街道は「シュガーロード」と呼ばれているそうです。

おつまみは、手前から「よりより」(長崎のお菓子といえばこの中華菓子も有名)、「かす巻」(カステラ生地で餡を巻いた島原半島の郷土菓子)、そして「塩豆」(五島列島の塩を使った衣をつけた揚げたそら豆)。甘いのとしょっぱいのと、どちらもあって嬉しい。

塩豆の後ろに見える、割水を入れた瓶は波佐見焼のコンプラ瓶。江戸時代には酒や醤油をこの瓶に詰めて輸出していたそうです。

そして、3種類の麦焼酎の飲み比べ♪ ※ 個人の感想です
左:壱岐っ娘 Deluxe…軽い口当たり
中央:長崎街道…ウイスキーっぽい味わい
右:529…ブランデーのような風味

お酒に詳しいスタッフさんの話を聞きながら楽しむ界 別府の本格焼酎ディスカバリーも良かったけど、お酒がさほど強くない私にとって、部屋でチビチビと楽しめる”界雲仙”のディスカバリーは、まったり寛ぎながら楽しめるところ(=眠くなったらすぐに寝られる環境)が魅力的でしたzzz

地獄の道を行ってみた

翌朝、朝食前に雲仙地獄の散策へ出かけました。

湯けむり雲仙地獄

雲仙は日本で初めて国立公園に指定された地域です。昭和9(1934)年に「雲仙国立公園」として誕生し、昭和31(1956)年に天草地域が追加されて「雲仙天草国立公園」に名称が変わりました。その特徴に” 湯けむり漂う雲仙岳(温泉岳)の火山景観 ”が含まれており、雲仙地獄はその見どころのひとつです。

雲仙地獄の入口、湯けむり橋。湯けむり橋を渡った先も、地底から湧く蒸気がもくもくと上がっていました。

ここにはゴツゴツした岩があるだけでなく、植物も自生していて緑が綺麗でした。ミヤマキリシマなどツツジ科の植物は火山性ガスの燃焼によって生じる亜硫酸ガスにも強いそうです。

また、現在観光名所となっている周辺の様子からは想像もできませんが、江戸時代、雲仙地獄はキリシタンに信仰を捨てさせるための拷問と処刑が行われた場所だったそうです。散策道の途中、キリシタン殉教の碑があり悲しい歴史を知りました。

雲仙地獄はネコネコパラダイス!?

さて、雲仙地獄の入口から少し奥に進んだ場所に「雲仙ネコ歩き?!」と思うほどのたくさんの猫がいました。

検索してみたら岩合さんの番組でもここを撮影したようです。なぜこんなに猫が多いんだろうと思っていましたが、番組HPに「湯煙や温かい岩に身を寄せる光景は、まるでサウナや岩盤浴」と書いてありました。地熱で地面が温かいのかもしれません。地面を触ってみたらよかったな〜。

こっちを見ている猫、貫禄がありました。若い衆を引き連れて歩く姐さんのイメージ。男の子か女の子か…わかりませんが。

この猫たちは山に住んでいるらしく、観光客が多い時間帯になると山に帰っていくそうです。この時間帯だったから猫たちに会えたのかも。(猫好きの夫にとっては至福の時だったに違いない)

ご当地楽「活版印刷」

朝食後には、ご当地楽の活版印刷を体験しました。

前日のうちに、ロビーに用意されている予約札を取って予約完了。予約札は各時間、定員分の枚数が用意されているので、この札が全てなくなるとその回は満席ということになります。合理的な予約方法ですね。そして、札がかっこいい!

アナログさがオシャレだった

体験の前にスタッフさんから活版印刷の歴史を紙芝居で教えてもらいます。活版印刷は、天正遣欧少年使節によって欧州から島原半島にもらたされたそうです。

この枠に、凸凹のイラストと活字を選び組んでいきます。イラストはすぐに決まりましたが、どんな文章にするか決めるのに時間がかかる…。

文章が決まったらピンセットで組んでいきます。左右が反転するので間違えないように、慎重に。

組み終えたら、枠がずれないようにしっかりとねじを締めて固定します。

そしていよいよ印刷です。地元から寄贈されたという活版印刷機もなんだかオシャレ。

文章を組んだ版をセットします。

何度かレバーを押すことでインクがついたローラーが上下し、版にインクが付きます。

印刷用紙をセットして、最後にレバーを思い切りグーっと押し下げます。

そうして完成!中村家書店が始動する5月に向けて(この時はまだ4月)、「なかむらやしよてんはじめます」と印刷してみました。「はじめます」より「はじめました」にしたほうが、いつまでも使えるなあ…と後で思ったけど。これはこれで思い出です。

デジタルなものに囲まれた日常は便利で快適。でも、アナログな道具でつくったものは手間はかかるけどオシャレで味がありますね。こんな貴重な体験ができるのも星野旅の魅力です☆

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