土地が『届けたがっている』高次元の話

山口県周南市・光市でのお話です。

新幹線の徳山という駅から見渡す港の景色に、軍艦が並んでいる景色が飛び込んできました。軍艦は呉じゃなかったのかな、と思って、当時、光市で懇意にしてくれた社長さんには初対面では言わずにいましたが、コンサルの仕事を引き受け、車で一緒に営業しているときに、『ここには何もないけん、つまらんじゃないですか』というので、そんなことはないですよ、と言って、その時見た軍艦の話、そしてその後に感じた話をしました。

ここで感じたのは、若い青年たちが日本中から集まり、まるで甲子園のような熱気でした。町で地域で彼ら、若者を本気で応援している地域に感じました。

時代は70~80年くらい前か、戦争のころの感じ。英霊なんでしょうか、光にしか感じません。そしてとにかくとにかくまぶしくて明るいんです。

こんなこと言うと批判されるでしょうけど、当時の若者たちも、同世代の若者たちと競い合ったり、夢を語ったり、本気で日本をよくしようとめちゃくちゃな熱意を感じるんです。何もみんながみんな恐ろしい兵隊さんなわけじゃない。今でいうとアフリカの後進国の若者たち。戦争を何とかなくしたい。家族を守りたい。国を護りたい。ものすごいまっすぐすぎる光の情熱を感じます。

今と共通するのは、若者特有のポジティブさ。明るすぎるほど明るい命への挑戦。真っ向から自分の人生や運命を知ろうとし燃やそうとする情熱。それは全く今の若者とも変わりはない。

ただそれがあまりに、今のこの時代よりも狭く強く閉ざされている。だからそれを共有する仲間に限られた土地で会う。そして高めあう。それがこの土地、光市、周南市のエリアでした。

訓練というより、運動や合宿をしている感じです。そして学びを高めています。

国を護りたい気持ちに応えるように、その純粋さに、土地の人たちも魅かれて、応援しています。命を散らすのではなく、輝かせる感じです。


その話をしたところ、かわっちゃん、あんた恐ろしいね、人間魚雷って知ってる?

と彼は言いました。知っているけど・・・。ここはさ、その人間魚雷の乗組員たちの発射台にいく前の子たちがいた土地なんだよ。戦艦は、大和だね。


え、でも、そんなに暗い感じじゃないよ、と僕がいうから、人間魚雷『回天』の島に行ってみる?というのが行きました。


そこは確かに暗いけど、悲壮感よりも、鎮魂の場でした。僕がみた感じは、内陸の浜辺で、虹が浜と呼ばれるあたり。発射台はやっぱりしんどかった。

そして特にそこへ向かうトンネルがあるんだけど、そこは本当に『祈り』の場だった。とてもある意味、神聖でまるで神話かお葬式のようでした。生きながらにして天国からの音楽が聞こえてくる場所でした。

歴史の博物館で写真や、回天とともにあった歴史を知り、僕が感じたものよりも、悲痛だった。苦しかった。


なら僕はなぜあの風景を感情を得たのだろう?


二度と繰り返さない歴史。それは大切だ。でも一緒にね、彼らの誇りまでもが、熱意までもが、夢までもが、二度と繰り返さないように、なんていう景色にこの現代は、なっているんだ。

そこにあった国を思う気持ちや、情熱は繰り返していいものなはずなのに。そしてその情熱や夢や想いを大切にして、応援する人たちの想いは、何度だって繰り返していいものなはずなのに。


それをその人に伝えたあと、自分の暮らす土地を『何にもない土地』ではないことを知ってくださいました。むしろ『何にもないようにしてきた土地』

本当に土地が届けたいことは、『人が残した高次元の思想、想い』


それを受け取ると、未来へつながっていること、むしろ、未来から繋がっていることを知れます。


徳山の駅には、詩人 まどみちお の描いた絵が、あちらこちらに描かれている。僕は彼の絵とも知らないで、なぜか、象の絵をみて、恥も外聞もなく耐え切れなくなって駅で号泣してしまっていました。

これは何?と彼に聞くと、まどみちおさん、だと教えてくれました。


忘れたくないことが結晶として、ひとつのかたちになっている。知らないわけがない、忘れるわけがない。それが絵本の童画のかたちにみんなでした。

ちゃんとあるじゃないか。忘れていないじゃないか。と思えました。


人は知らず知らずに高次元なものを作り上げている。それは土地にある思念、強い未来からの記憶がそうさせている。過去からの記憶に振り回されちゃだめだと思うのです。


ちょっと言いすぎました。

思い出したので熱がこもりました。

戦争は大反対です。でも人の誇りとそれは同一ではない、同一にしてはならないと思うのです。それはどの時代でも未来と繋がる現実的な意識ですから、人間は、自分の誇りをなじられることにとても怒りを覚えるのです。

つまり、人は未来からつながる意識を自覚して持てると思うのです。それを土地から感じ伝えられることがたくさんあります。土地は記憶装置です。

また思い出したら書きます。


とても大切なことが過去に送り込まれていた感じがあるんです。


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