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昭和のユリ・ゲラーと今朝のMr.マリックの視聴者からの報告トリックに目からウロコポロリ

昭和48年のある日、小学1年生のぼくは、家の中で壊れた時計を探していました。

テレビの中の超能力者ユリ・ゲラーに「壊れた時計があったらテレにも前に持ってきてください。」と言われたからです。

小1男子が超能力者にそんな指令を出されたら、絶対やりますよね。

どんな時計だったかかは覚えていないのですが、壊れた時計を持ってテレビの前でワクワク待ちました。

ユリ・ゲラーは、「ワン、ツー、スリー!」とカメラに向かって念力を送って、ぼくらに時計を見るように言い、それでも時計が動かない人はその時計を両手で握って、動け!と念じなさいとぼくらに指示しました。

しばらくするとスタジオに用意してあった数台の電話が激しく鳴りだしました全国から壊れた時計が動きだした!という報告があったのです。

残念ながら、ぼくの手の中の壊れた時計は動かなかったのですが、長い間どこかに壊れたまま置いてあった時計を移動させたことによる振動で、偶然動きだした時計が、仮に1000のうちの1つくらいあったとしたら、その当時のユリ・ゲラーの番組は視聴率が30%くらいあったそうなので、視聴率1%が100万人だとすると3000万人が観ていて、その1000分の1の3000人の時計が動いて、その中の数パーセントの人が番組に電話をかけたとして、動かなかったのに面白がって電話した人もかなりいたでしょうから、そりゃスタジオの電話は鳴り止まないでしょう。

番組で紹介するのは時計が動いた人のメッセージだけでいいわけなのでそこまで人数がいなくてもよくて、動かなかった人からの電話の呼び出し音もテレビを観ている人には動いた人からの電話のように錯覚したんだと思います。

でも、移動させただけで壊れた時計が動くのって、けっこう賭けなんじゃない?と思ったので、調べてみたら、2012年にYahoo!知恵袋で、その当時、壊れたまま何年もバッグの中に眠っていたぜんまい式の腕時計がユリ・ゲラーの超能力で動いたのですが、これは超能力ですか?偶然ですか?という質問があって、そのベストアンサーは以下のものでした。

「まず腕時計の動かなくなった理由はグリスの固まりが動かない理由で多いのです。それを手で10分以上握りしめたらグリスは手の熱伝導で少し溶けます。当時のグリスは寒さには弱かったですからね。これにより動き出す現象は普通に有ります。」

なるほど、昭和48年頃の腕時計は、そういう形式のものが多かったですね。念じながら両手で腕時計を握ったら、手の平は熱くなるし、それでグリス( 液状潤滑油 )が溶けて、動き出すということか。

ユリ・ゲラーは、ぜんまい式の腕時計を持ってくる人がけっこういるだろうということを想定していたんでしょうね。


なんで突然、超能力の思い出を書いたかというと、今朝の日テレ『スッキリ』で、Mr.マリックが「生ハンドパワーであなたのスプーンを曲げる⁉︎」というのをやっていたからです。

視聴者にスプーンをテレビの前に持ってくるように指令を出して、Mr.マリックとテレビを観ている人たちが一緒にスプーンを曲げるということで、まぁ、もちろん参加しますよね。

左手でスプーンの柄を握って、右手の人差し指でスプーンのすくう部分の上を抑えて、「曲がれ!」と大きな声を出しながら手前に引くのですが、スタジオの加藤浩次さんや何人かはグニュっと曲がっていましたが、ぼくのは曲がらず、ものすごく力を入れたら曲がりました。そりゃそうですよね(笑)。

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番組では「曲がった人」と「曲がらなかった人」をリモコンのデータ入力の赤いボタンと青いボタンで集計をとっていて、結果は「曲がった人」15,007人、「曲がらなかった人」75,007人でした。

スプーン曲げのやり方をネットで調べると、「誰でも簡単」、「テコの原理」と出てきますが、この様にも書いてありました。

「まず、100均で売っているような安いスプーンを用意してください。理由は、曲げてしまったら使えなくなる可能性があるので、高価なものはもったいないということ。それから、安い商品のほうが柔らかくて曲げやすい、ということです。」

コツはあるのでしょうが、スプーンの硬さでも曲がる、曲がらないは絶対にありますよね。ぼくが選んだスプーンは思ったより硬かった。

今思うと曲げるスプーンを探す時に、最近使っていないもので、柄が厚すぎなくて素材が柔らかそうで、他のスプーンよりなんか曲がりそうということを意識していたのかもしれません。だって、曲げたいんだから

スタジオのスプーンがどんなのだったか、見てみたいなぁ。


超能力を使えば、壊れていた腕時計が動くんだ!スプーンが曲がるんだ!ということを、実際に動かなかったり、曲がらなかった人にも実感させる方法として、ユリ・ゲラーはテレビ局にかかってくる鳴り響く電話の音を使い、Mr.マリックはスプーンが曲がった人が相当数いるテレビのアンケート画面を使って、超能力の「見える化」をしたんですね。

目からウロコポロリ

ユリ・ゲラーが話題になったのをきっかけに全国で見出された「超能力少年・少女」たちの一人の清田益章くん(後にエスパー清田と呼ばれる)は、青年になっていた昭和59年にテレビ番組で、スプーン曲げと念写でトリックや不正をしていた一部始終が放送されて、今でいう炎上したのですが、ぼくが大学生の時に行ったクリエイターが集まる飲み会に、当時25歳くらいのエスパー清田さんが来ていて、目の前でスプーンのすくう部分には触れずにスプーンの柄を片手で持ってユラユラと振るだけでねじ切れて落ちると言う超能力をやってくれたのですが、あの時は事前にスプーンをぼくがよ〜く確認したので、トリックは無かったはず。無かったと信じたい。

テレビで隠しカメラで不正を撮られたのも、精神的に超能力ができない時もあるだろうから、保険でやってたんじゃないかな〜と、今だに思っています。不正はよくないですけどね。

それにしても、隠しカメラで撮っていてそれを流すテレビもひどいと思うなぁ。あの頃のテレビは良い意味でも悪い意味でもなんでもアリでしたからね。

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