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連載『オスカルな女たち』
《 そうするための… 》・・・16
「ひとの本音。本気か嘘か、なにもないのか、隠しているのか、その程度の判断がつかなきゃ、チョイ役でインパクト植え付けることなんて到底できないわよ」
「はぁ…」
改めて弥生子(やえこ)を「すごい」と思う織瀬(おりせ)だった。
(ホントに売れてないのかしら…?)
これまで知らされていた弥生子の評判は「チョイ役」「脇役」「個性派」と、あまりいいイメージでは伝わってはいない。
織瀬自身、弥生子の出演するドラマを意識して観たことはなかったが、改めて観てみたいと思うのだった。
「ま、お互い様だけど、プライベートをどうこう言うつもりはないわ。あなたが母親になりたい気持ちに変わりはないのでしょうから。それに、」
弥生子は腕組みをし、
「わたしだって〈里親〉を考えなければ私生児なわけだし。ふた親揃ってたからって、必ずしもいい家庭ってわけじゃないしね」
「それは、そうだけど…」
両親とも揃っていない織瀬には、説得力のある言葉だった。
「この〈養子縁組〉は、お互いが納得しあって進めていくものでしょう? 納得するためにわたしたちはこうして話し合ってる。昔ばなしに花を咲かせるお友達ごっこじゃないのよ」
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