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失恋冷蔵庫

「はぁ…」
なにもする気がしない。
気分はまるで出がらしのお茶、もしくは油の残ったフライパン。
だって、まったく気力が湧いてこないじゃない?

わたしを慰めるもの…今となっては、冷蔵庫の機械音だけね。

こんな時でさえお腹がすく。でも今は、冷蔵庫のあの灯りさえ見たくない。
暗くていいわ。光の中に身を置きたくない。

Bu・・・・nn・・

「なによ。なんか文句ある?」
冷蔵庫に話しかけても、虚しいだけね。

「ぁぁ…」
涙も出やしない。

Bu・・・・nn・・

「だから、うるさいっつーの。 あんたなんかあったかくもないじゃない」
でも、わたしの心を凍らせる場所はあるわね。

そのあとを満たすものも、入っているかしら。

もう、切り詰めてふたり分の食材を買うこともないのね。
毎日バカみたいに牛乳も買わなくていいんだわ。

お酒でも飲んだら忘れられる? ビール、入ってたかしら?
いっそみりんでもいいわ。みりんで酔えるのかしら? みりんて、お酒よね?

Bu・・・・nn・・






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