見出し画像

蜜月の刻(とき)

やめて!
私を可哀想だなんて思わないで・・・・

編集者:匿名希望

「わたしの初体験は、自慢できるものではありませんけれど…」
そういうと、女医さんは「自慢できるひとなんかいないだろ」と乾いた声で笑った。

「わたしはミッション系の女子高に通っていたのですが…」

「へぇ、あたしも女子高よ」

「じゃぁ、いろいろと理不尽な校則ありませんでした?」

「あった。あった。スカートの丈から始まって、髪型、化粧…。セカンドバッグは黒、茶、紺。派手な柄なし、キーホルダーはふたつまで…とか、小学生みたいなやつまで…」

「ふふ…うちも似たような感じです。でも、校内の厳しさとは打って変わって、一歩学園の外に出たら、そんなに貞淑な生徒ばかりではありませんでした」

それは女子高に限ったことではない。どこの学校にも型にはまれない生徒はいるし、型にはまりたくない生徒もいる。それを表に出すか出さないか、表立って目立つか目立たないかの違いで、全体を見渡せばなんら違いはないのだ。

「わたしの友だちはわりとませていたというか、他校の男子生徒ばかりでなく、大学生や社会人と付き合っている子もいて…」

「へぇ。しっかり社会勉強もしてたわけだ」

「まあ、そうですよね。でもわたしはいつも、そういう子たちにくっついてただけで、付き合うというところまでは行かなかったんです」

だれにも言ったことのないわたしの過去。こんな形で、初対面の人に話すことになるなんて・・・・

いつもお読みいただきありがとうございます とにかく今は、やり遂げることを目標にしています ご意見、ご感想などいただけましたら幸いです