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蜜月の刻(とき)

4人目は、なんと産婦人科医院の院長だった。

そもそもわが編集社が手掛けている雑誌『open』は、女の開放をコンセプトとして、主に〈働く女性〉〈戦う女性〉〈頑張る女性〉たちに向けて「こんな生き方もありますよ」という紹介も兼ねている。それは働く女性ばかりでなく、子育て中のママや、産後復帰を考えているママたちに向けての情報も発信している内容の厚い雑誌になっている。
そんな中、今回彼女は『できる女、必要とされる女』の特集記事で紹介される女性のひとりというわけだ。

女医:匿名希望

「匿名でもいいなら」と不機嫌そうに言って椅子に腰掛けた彼女は、想像していたイメージとは違い、茶髪の一見怖そうな女医さんだった。

「初体験でしょ? そんなのだれが聞きたがんの?」
「ですよね~。わたしもそう思います。でも仕事なので」
「そういうこと、行っていいの?」
「は?」
「なんか信念があってのインタビューなんじゃないの?」

しょっぱなからお説教を食らってしまった。
(やり難いなぁ…)

「で、なにを話せばいいの?」

「特にこちらから質問はなくて、皆さん自分からお話しくださるのですが…」

「例えば?」

「相手の年齢ですとか、なぜそこに至ったかとかですかね」

「ふ~ン」

彼女は大きくため息をつき「こういうの苦手なんだよなぁ…」とこぼしてから、とつとつとお話しくださいました。

「まず、相手は年上で…。なぜ至ったか? めんどくさいな。ん~」

(だいぶ心の声が漏れちゃってるんですけど…)
人選を間違えたか…手当たり次第にインタビューというのはあまりよろしくないのだと悟った。

それもこれも先輩のせ・・・・いやいや、勉強勉強。




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