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薬と健康の週間 vol.2

ごきげんよう、薬剤師ぐみちゃんです。
薬と健康の週間2日目は、啓発活動の主題である「正しく薬を使いましょう」についてお伝えしていきます。

正しく使いましょう、ってどういうこと?

薬の形から考える

薬の形には意味があります。
薬の形によって使い方に気を付ける点が異なります。

薬の形、どういうものが思いつきますか?

錠剤
カプセル剤
液剤
シロップ剤
散剤
顆粒剤
点眼剤
点鼻剤
吸入剤
貼付剤
軟膏剤
坐剤
注射剤

細かく分類していくともっとたくさんあります。

例えば錠剤。
錠剤はどのように使われますか?

口から飲む。

そうですね、正解です。
錠剤も実は裸錠、糖衣錠、フィルムコート錠、徐放錠のようにいくつかの種類があります。
裸錠・・・薬にデンプンや乳糖を混ぜて機械で圧縮したもの
糖衣錠・・・裸錠の周りを砂糖でコーティングしたもの
フィルムコート錠・・・裸錠の周りを水溶性の高分子膜でコーティングしたもの
腸溶錠・・・胃で溶けずに腸で溶けるように工夫されたもの
徐放錠・・・徐々に医薬品がとけだすように工夫されたもの
口腔内崩壊錠・・・唾液もしくは少量の水で服用できるように工夫されたもの
においをマスキングして飲みやすくする、医薬品の安定性向上、医薬品の副作用軽減、服用回数を減らす、等の目的から医薬品成分の特性に基づき様々な加工がされています。
ちなみに添加剤と使用できる成分は薬理作用がない、無害、医薬品の効果に影響しないなどと定められています。

一部の形の薬を除いて錠剤は180mL程度の水もしくはぬるま湯で飲むことで安全かつ有効に薬効が発揮されるように設計されています。
水の量が少ないと食道などに付着して食道を傷害したり、錠剤がとけずに薬が吸収されず効果が発現しなかったりすることがあります。
水以外の飲み物で飲んだ場合には薬の効果が不十分になったり逆に過剰になったりすることがあります。
また、飲みこみにくいからと錠剤を噛み砕いて飲むと薬の効果が不十分になったり、急激に効きすぎて副作用が発現することがあります。

飲み薬は特別な指示がない限りは、180mL程度の水もしくはぬるま湯で飲むようにしましょう。

実は錠剤でも飲んではいけないものもあります。
代表的なものは、舌下錠。
字のごとく、舌の下において使用し、口の中の静脈から薬を吸収するタイプの薬です。このタイプの薬を飲みこんでしまうと、薬が効果を発揮できなくなります。
他には口の中で使用するが飲みこまない錠剤としてトローチ剤、口腔内付着錠、そもそも口以外の挿入する膣錠と言った錠剤もあります。

飲むタイミングから考える

飲み薬って、いつ飲むイメージがありますか?

食後、これが一般的ですね。他には、
食直後
食前
食直前
食間
食中
空腹時
起床時
寝る前
等があります。

食後と食直後、食前と食直前の違い知ってますか?
食後と食前は食事から30分以内
食直後と食直前は食事から5~10分以内
を指します。
食後(食前)の薬は食事の終了後(開始前)すぐの時間から30分までが服用の目安です。
食直後(食直前)の薬は食事の終了後(開始前)すぐの時間から5~10分までに服用する必要があります。
これは薬の性質の違いによって指示が変わります。正しいタイミングで服用しなかった場合には副作用につながったり、逆に薬が効かなくなったりします。

続いて食間と食中。
これ、全然意味が違うのですが、誤解されていることがあります。
食間・・・食事と食事の間の空腹時
食中・・・食事の最中
食間と食中では胃の中の状態が真逆なので、誤って服用すると薬効減弱や増強につながります。
これは医薬品成分の性質によってくるので一概には言えないのですが、胃の中に食物があるかないかによって吸収されすぎたり全く吸収されなくなったりすることによります。

薬の飲むタイミングは薬の特性によって左右されますし、誤ったタイミングで飲んでしまうと副作用が強く出たり、せっかく飲んだのに効果が出なかったりすることがありますので、万が一飲み忘れた時は薬剤師に相談しましょう。
安易に飛ばしてしまうことがよくない薬もありますし、その逆もあります。
もし途中で飲む場合には次の服用をどうしたらいいかも必ず確認しましょう。

量から考える

薬の量は年齢、性別、体重、身長、肝機能、腎機能、疾患などから決定されます。
同じ年齢・同じ性別・同じような体格の人でも薬の量が同じことがあれば違うことがあるのです。それは医薬品の性質によっても変わってきます。

先日、かかりつけ医を受診した際の待合室でのご婦人方の会話にゾッとしました。
A「今度ワクチンを打つ。」
B「熱さまし、持ってる?」
A「持っていない。」
B「私いっぱい持っているからあげるよ。この薬、今品薄なんだってよ。」
A「いいよ、いらない。」
B「あげるって。持ってきな。」
A「悪いからいらない。」
C「Bさんが好意でくれるって言ってるんだからもらっておきなさいよ。」
D「そうよそうよ、もらいなさいよ。」

ご婦人方は親切のつもりなのでしょうが、それ、とても危険です。
Bさんがあげた薬、体格の異なるAさんには多すぎた。
(量が多いと効果が高くてラッキーじゃなくて、副作用が出やすくなります。)
で、量だけの問題じゃないのです。
Bさんがあげた薬に、Aさんがアレルギーを持っていた。
(製薬メーカーによって商品名が異なることがあり、専門家を挟んでいないので気づかず服薬してしまう可能性があります。)
Bさんがあげた薬は、Aさんの疾患からは使ってはいけない薬だった。
(医薬品によっては特定の疾患には使ってはいけないものがあり、例えば腎疾患があった、肝疾患があったなど。)

こういったケースでBさんの様な親切な方がおっしゃることに、
「とてもいい薬だから。」
「○○先生の薬だから。」
というのが絡んでくるとことはさらに厄介になります。
Bさんにとっては効果があって副作用もなくていい薬かもしれないけれど、Aさんにとってはわかりません。
Bさんにとっては○○先生が信頼のおける先生なのでしょうが、先生への信頼とAさんに使える薬かはBさんには断言できることではないのです。
身近な方や友人の言ったことは、その人にとっては真実かもしれないけれど、他の人にとって真実になるかはわからないのです。しかしなぜか専門家の意見より信じ込まれやすく鵜呑みにされやすいことがあって、薬剤師として悩ましいことであります。

この件については副作用についての投稿時にも触れたいと思います。

良かれと思ってあげた薬であなたの大切な人の命が危険にさらされないために、薬の譲渡はおやめください。

回数から考える

薬には1日に使える回数が決まっています。

指示された回数よりも少なければ十分に効果が得られません。

逆に指示された回数よりも多く服用すれば副作用につながりかねません。

Aという痛み止めとBという痛み止めでは適切な回数が異なるのです。

またAという痛み止めでも、製剤加工が施されたA’という痛み止めはAとは適切な回数が異なることがあります。

こころがほぐれるカフェの正しい使い方

【用法・用量】
通常、成人には4週間に1回、ぐちゃぐちゃ話しながらもしくは聞きながら投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
【用法・用量に関する使用上の注意】
1.本剤の効果は、通常、投与開始3回目頃から発現するので、3回目まで継続投与し、効果を確認することが望ましい。

ここほぐセット添付文書

難しいことはありません。
毎月1回開催されるこころがほぐれるカフェに足を運んでいただき、ぐだミーと他の参加者とともに3時間かけてゆっくりとその場を味わっていただくだけです。
飲食物の影響は受けませんので、3時間の間、自由に飲食していただいて結構です。

こころがほぐれるカフェはマイルドにあなたの中に浸透していきますので、3回参加していただいた辺りからきっと安全安心をからだで感じていただけます。

お問い合わせにお答えします。

先日、こんな質問をいただきました。
質問
「どうしたらloading doseしてもらえますか?」
回答
loading dose(負荷投与)は薬物血中濃度を速やかに治療濃度に到達させるために実施される投与方法のことです。
loading doseは維持量と言われる通常量よりも多い量を投与することで、速やかかつ十分に効果発現させることができます。
残念ながら現在、こころがほぐれるカフェはloading doseの設定がありません。もし今後、オンラインこころがほぐれるカフェが開催されるようになりましたら併せて参加していただくことでloading doseと同等の浸透が可能になってくるかもしれません。
もしくは、こころがほぐれるカフェの代替案としましては個人セッションやグループカウンセリングがあります。ご自身で探すのが難しい場合には、グループカウンセリングの場の紹介やぐだミーへご要請いただいても構いません。ぐだミー主催のグループカウンセリングの場・こころがほぐれるサロンをいつの日か開催しようと野望を抱いておりますので、そちらのご利用もloading doseに代わるものとしてご提案させていただきます。

2022年のこころがほぐれるカフェ開催予定

【第8回】
11月5日(土)13:30~16:30
志学書店様セミナールーム(千葉市)

【第9回】
12月3日(土)13:00~16:00
リキハウス(東京・世田谷)

こころがほぐれるカフェやぐだミーについて詳しく知りたい方へ

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